...ふと一人の男に擦れ違ったのだった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...擦れ違う時に窓から白い手が...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...むこうの方から五六人の会社員らしい洋服を着た一群が来て擦れ違ったが...
田中貢太郎 「妖影」
...擦れ違いさまに向うの船の船頭の頭を掠(かす)めたり...
谷崎潤一郎 「幇間」
...なよやかな衣擦れの音...
豊島与志雄 「春の幻」
...私と擦れ違つたが...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...二人は擦れ擦れになり出した...
南部修太郎 「S中尉の話」
...靴の踵と床の擦れ合ふ響...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...その鷹の羽の紋や足がすっかり擦れているところをみると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...行かよふ人の顔小さく小さく擦れ違ふ人の顔さへも遥(はるか)とほくに見るやう思はれて...
樋口一葉 「にごりえ」
...覚束ぬ足取りで衣擦れの音を引いていった...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...心なしか小村雪岱氏の纖細な筆で描かれた綺麗な表紙も何時(いつ)の間にか手擦れ垢じみて來たやうに思はれた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...葉擦れの音と潤いのある土の香りに胸から飛び出しそうな心臓の鼓動を鎮め様と努めた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...彼女にいろいろな擦れからしなことを言つたのも...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...夜ぞらに擦れてうすい明りをもつ燐(りん)のように...
室生犀星 「みずうみ」
...手擦れで光った厚い戸にかかり...
横光利一 「夜の靴」
...今空中に打ち合ひ擦れ合つて寂しい微妙な楽の音を立てゝゐる...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...『白藤さん……じゃないですか』と、行く手の方から、ふらりふらりやって来た男が、擦れちがいざま、名を呼んだ...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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