...』恁(か)う久子の兄が幾度(いくたび)か真摯(まじめ)に言つた...
石川啄木 「鳥影」
...却つて、駿河台では野村と同じ室に居て、牛込へは時々遊びに来た渠の従弟といふ青年に心を許して居たが、其青年は、頗る率直な、真摯な、冐険心に富んで、何日でもニコニコ笑つてる男であつたけれど、談一度(ひとたび)野村の事に移ると、急に顔を曇らせて、「従兄には弱つて了ひます...
石川啄木 「病院の窓」
...いかなる場合にも真摯な研究態度と柔軟にして強靭なる生活意欲(芸術家としての)を失わなかつたから...
伊丹万作 「広告」
...浅墓な客観(かくゝわん)芸術に対して真摯な主観芸術の発表であると言つても差支なかつた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...いかに真摯(しんし)なラテン人といえどもその熱烈な自尊心のためにもち合わしていないある誠実さを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その悲壮な苦悶(くもん)や崇高な蔑視(べっし)や貞節な情熱の真摯(しんし)さなどのために...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いっそう真摯(しんし)なほとんど宗教的な感情までが加わっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人は常に自由な晴れやかな真摯な意志の所有者である...
豊島与志雄 「生活について」
...何事にあれ着実真摯(しんし)な道を煙たがりやすい世間には...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...そして着実真摯(しんし)な道を歩むのが結局一番の早道であることを忘れなければよいのである...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...少しも摯実(しじつ)の気質がない」と兄が云った...
夏目漱石 「行人」
...永遠性への向上の眞摯なる又生の本質より來る必然的なる努力として吾々の立入つた考慮を要求するであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...こうした傾向が、男の心の生来の感情だとすれば、相手を保護してやろうといった矜持はいつだって女に有利なように働くのではないだろうか? ここに愛が加わったなら、あの感謝の気持ちが、真摯な魂の中に、何よりも大切な喜びとして存在することになる...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...ニコラスの生涯での真摯な事業は...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...それは、あなた方の純潔と、眞摯と、敬虔とは、きつと効果のあるやうな祝福を與へて下さるだらうと信じたからである...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「印度の婦人へ」
...真摯な物語りとやさしい心情の流露とが溢れて...
宮本百合子 「木の芽だち」
...彼の真摯(しんし)な懺悔(ざんげ)にも似ず...
吉川英治 「大岡越前」
...どうぞ一度あのお方へ帰ってあげて下さいまし」これほど真摯(しんし)な声も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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