...僕は雨戸の間から外の月夜を見つゝ手拭で汗を拭く...
長塚節 「開業醫」
...他の病室の患者の慰めなりといへどもひとの枕のほとり心づかざれば未だみしこともなく朝まだき涼しき程の朝顔は藍など濃くてあれなとぞおもふ僅に凌ぎよきは朝まだきのみなり蚤くひの趾などみつゝ水をもて肌拭くほどは涼しかりけり夕に汗を流さんと一杯の水を被りて糊つけし浴衣はうれし蚤くひのこちたき趾も洗はれにけり涼味漸く加はる松の木の疎らこぼるゝ暑き日に草皆硬く秋づきにけり三二十三日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...拭くのが面倒だから壁へむいて二三返(べん)手をふってそれから「カルルス」塩の調合にとりかかった...
夏目漱石 「倫敦消息」
...その指をどこで拭くか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こちとらは褌(ふんどし)で顏を拭くくらゐが丁度宜いたしなみで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あわてゝ涙を拭くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これも寒空に冷汗を拭くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しきりに汗を拭く...
久生十蘭 「予言」
...顔を剃(あた)った後で鬚につけて拭くウォッカを...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...彼は渡されたナプキンで口を拭く...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...カナキンの手巾(ハンケチ)で慌(あわただ)しく口の周(まはり)を拭くのであツた...
三島霜川 「解剖室」
...拭く間ももどかしくお久美さんを引きずる様にして障子の中に入れると...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...着物の袖で涙を拭く)……それ程...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...深喜は草の上に坐り、刀を拭くために、ふところを探ったが懐紙も紙入れも無かった...
山本周五郎 「花も刀も」
...みずから拭くすべを知らなかったし...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...それを懐紙ではなく袖で拭くようにしろ...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...呼吸をガラスにふきかけては拭くのだがその間も...
横光利一 「旅愁」
...――彼がその一ト汗を拭くべく小高い丘へ馳けのぼって行くと...
吉川英治 「新・水滸伝」
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