...犯人は牌(こま)に塗った毒薬をアルコールのついた脱脂綿で拭うことに夢中になって...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...拭うがように凡てが消えて...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...ランプの油壺やホヤを拭う反古紙になったりして...
永井荷風 「十日の菊」
...ホッと息をついて汗ばんだ面を拭うと...
中里介山 「大菩薩峠」
...先祖の位牌に塗られた泥土は拭うべくもあるまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...その名分よりすれば手を拭うことにあるのですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...血の滴りを拭うことの労を厭(いと)いませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...拭うひまもなく衣服に身をくるんで...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...おはま (涙を拭う)お登世 江州の忠太郎兄さんじゃないの...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...その水を飲みほしてナフキンで丹念に唇を拭うと...
久生十蘭 「ハムレット」
...洋人は鼻汁を拭うに毎次紙を用いて直ちにこれを投棄し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...紀州田辺近き上芳養(かみはや)村の俗伝に弘法大師筆を馬蓼(いぬたで)の葉で拭うた...
南方熊楠 「十二支考」
...このネルでそなたのペニスを拭うほかにまことそなたのために何もなしえじ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...元来浅草区はこれ等醜業婦のために拭うべからざる汚名を受けているのです...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...……………………時々手を止めてハンカチで涙を拭うようす……...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...顔に打ちあたる飛沫を手巾で拭う千鶴子の愁いげな眼――と幻のように南海の夜景が次ぎ次ぎに泛かんで消えぬ楽しみを思うにつけ...
横光利一 「旅愁」
...一やすみ致して、夜に入ったらすぐ、わしは舟で立つつもりだ」北向きの中庭に面した一間に坐って、顔の汗を拭うと、官兵衛はそういっていた...
吉川英治 「黒田如水」
...糜芳は城を出て、友を出迎え、まず関羽の消息を問い、荊州の落城を嘆じて、悲涙を押し拭う...
吉川英治 「三国志」
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