...日本に帰つて折しも顔見世の芝居を見...
阿部次郎 「帰来」
...折しも微吹(そよふ)く風のまにまに...
巌谷小波 「こがね丸」
...折しも学校から戻ってきた野呂がにこにこしながら...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...そういう折しも、指揮官望月大尉ののった彗星一号艇が奇怪なる消失...
海野十三 「宇宙戦隊」
...風笛あらばと思ふ折しも...
大町桂月 「月譜」
...腰の瓢箪を取り出す折しも...
大町桂月 「菅の堤の櫻」
...父なる人は折しも鋸(のこぎり)や...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...折しも寶庫開扉にて眞僞は知らず...
内藤湖南 「寧樂」
...折しも滿月に近い月は團々として東の山の上にあがつてゐる...
濱田耕作 「温泉雜記」
...折しもかの子規(ほとゝぎす)軒端に近う鳴く声のする...
樋口一葉 「すゞろごと」
...折しもお蘭さま籬の菊に日映りのをかしきを御覽じけるほど成りしが...
一葉 「暗夜」
...折しも、通りすがった二人づれ――対(つい)の黄八丈(きはちじょう)を着て、黒繻子(くろじゅす)に緋(ひ)鹿(か)の子(こ)と麻の葉の帯、稽古(けいこ)帰りか、袱紗包(ふくさづつみ)を胸に抱くようにした娘たちが、朱骨の銀扇で、白い顔をかくすようにして行く、女形(おやま)を、立ち止って見送ると、「まあ、何という役者でしょう? 見たことのない人――」「ほんにねえ、大そう質直(じみ)でいて、引ッ立つ扮装(なり)をしているのね?誰(だれ)だろう?」と考えたが、「わかったわ!」「わかって?誰(だ)あれ?」「あれはね、屹度(きっと)、今度二丁目の市村座(いちむらざ)に掛(かか)るという、大坂下りの、中村菊之丞(きくのじょう)の一座(ところ)の若女形(わかおやま)、雪之丞(ゆきのじょう)というのに相違ないでしょう――雪之丞という人は、きまって、どこにか、雪に縁のある模様(もよう)を、つけているといいますから――」「ほんにねえ、寒牡丹を繍(ぬ)わせてあるわ」と、伸び上るようにして、「一たい、いつ初日なの?」「たしか、あさッて」「まあ、では、じき、また逢えるわねえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...折しも五月の事なれば...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...折しも続く東海の...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...折しも西北(いぬい)の方から一手の軍勢がこれへ馳けてきた...
吉川英治 「三国志」
...折しものことである...
吉川英治 「私本太平記」
...折しも十二月の中旬というのに...
吉川英治 「新書太閤記」
...折しも、湖岸(きしべ)に此珍事を傍観(み)て居た人があつて、艪(ろ)で、其艪で殺しておしまひなさい、頭をなぐつてお遣(や)んなさい!母は大骨折つて、やつと、此大鱒を打殺し升た...
若松賎子 「鼻で鱒を釣つた話(実事)」
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