...葉子は自分の不可犯性(女が男に対して持ついちばん強大な蠱惑(こわく)物)のすべてまで惜しみなく投げ出して...
有島武郎 「或る女」
...また太宰という男は馬場と対角線をなして向きあったもう一方の隅の壁に背をもたせ細長い両の毛臑(けずね)を前へ投げだして坐り...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...アカイアの衆その牲を神明に捧ぐるほとり投げおろす...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...なる程他人の私有財産を勝手に商品交換過程に投げ込むという典型的な犯罪と一つではないし...
戸坂潤 「社会時評」
...「練習してるんだよ」「なんの練習だい」「輪投げだよ」「そして...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...寝床の上に身を投げだした...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...小癪(こしゃく)な果し状」竜之助は手紙をポンと投げ出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...痙攣(ひきつけ)はじめしその五体((たう))とばかりに投げ出だし...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...右手(めて)より投げたる梭(ひ)を左手(ゆんで)に受けて...
夏目漱石 「薤露行」
...ああやって出て行ったんだよ」「まあ」お延は弱い感投詞(かんとうし)をむしろ淋(さみ)しそうに投げた...
夏目漱石 「明暗」
...投げやりな心持ちになつて来る...
林芙美子 「浮雲」
...私は二階から果物籠を地球のように路地へほうり投げてしまった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...彼は妹が其処に置いてゐた蜜柑を拾つて「口まがり」を眼がけて力一杯投げつけた...
牧野信一 「池のまはり」
...見る者に向って常にこの一公案を投げるからである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...投げ方が悪いと翁が途方もない力でシッカと獅噛(しが)み付いて離れないので困った...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...出迎えた細君に残りのバラ銭を一掴み投げ与えた...
夢野久作 「呑仙士」
...でんとばかり投げ飛ばされた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その覚明へ向って投げられたのである...
吉川英治 「親鸞」
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