...君の我を愛せらるゝこと、今にはじめぬ事ながらと、感喜踊躍して、さて思へらく、かゝる機會は多く得べからず、父の養ひはすでに終へつ、おのれは次子なり、家兄は存せり、家の祀、母のやしなひ、托すべき人あり、また妻もなく子もなし、幾年にてもあれ、海外に遊びてあられむ程はあらむ、いづこにも青山あらむ、海外にて死にもせむ、さらば、この土に、何をか一事業をとどめてゆかむ、その業は、すなはちこの辭書なるめり、いよ/\半途にして已むべきにあらず...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...我らのユーザ・サヨ・サマーレをかえって中尉並びにロゼリイス姫に托することとなりました奇(く)しき運命の変転に...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...(それも酒のためなのだ)使賃を与へ手紙を托する...
種田山頭火 「一草庵日記」
...あとを托するほどの心当りはないのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...一縷の生を托するものよ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...安心して此等の人々に托することが出來た...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...太子はこの日から三人の雑役に生命を托すことになったが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...私(わたくし)にその宅に伺候(しこう)して依托することもあらん...
福沢諭吉 「徳育如何」
...心を托するに足る何ものかになっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...下女下男子守の雇ひ入れに屈托することがなかつたゝめである...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...その体の一部を托すべきあるに遇わば...
南方熊楠 「十二支考」
...以後は平時相応な事業をお前に托する...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...重器は輕しく托す可からず...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...我何れの處にか往きて此身を寄托すべき...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...人數の僅かな家ではよその小舟に托することもある...
柳田國男 「瀬戸内海の島々」
...人類の起原をインセストに托するは自然であった上に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...たまたま山の生活と交渉のある場合ばかりこれを目に見えぬ山の人の神通に托するがごときは...
柳田国男 「山の人生」
...生涯を托す主人として働いていた...
吉川英治 「平の将門」
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