...所詮は長尾(ながお)の僧都(そうず)は申すまでもなく...
芥川龍之介 「邪宗門」
...所詮は、あなた芸術家としてのひとり合点、ひとりでほくほく享楽しているだけのことではないの...
太宰治 「女の決闘」
...所詮は、ただうれしいのである...
太宰治 「如是我聞」
...所詮は、物質が燃え上るだけのことに違いないのだけれど、火事は、なんだか非科学的だ...
太宰治 「春の盗賊」
...「斉彬公を――いや、斉彬公を調伏せんにしても、所詮は、久光殿を、お世継にしようとする大方の肚であろう...
直木三十五 「南国太平記」
...若者好き――所詮は...
直木三十五 「南国太平記」
...所詮は、十一月の曇つた午後に、風が往来の砂塵を巻きあげてゐるやうなもんだと、僕の、心はともかく肉体は、左様に今はや観念してゐるやうな具合だ...
中原中也 「私の事」
...所詮は敗北の憂目(うきめ)を見るにきまっている」モーナルーダオはそれを聞くと答えた...
中村地平 「霧の蕃社」
...所詮は人間のために...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...所詮は神様でない限り...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...所詮は私のような者の来るところでもなさそうだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...所詮は底ぬけに小心者で...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...だれに泣きごとをならべることがあらう? 所詮は神がかういふ運命に定められたのだ! ええ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...所詮は「楽な登攀」をしか思ってはいないのである...
松濤明 「山想う心」
...所詮は小刀細工です...
山中貞雄 「五題」
...所詮は人々の自然科学に対する疑問である...
横光利一 「欧洲紀行」
...軽部が私への反感も所詮はこの主人を守ろうとする軽部の善良な心の部分の働きからであったのだ...
横光利一 「機械」
...」と、シベリヤの広さに驚歎したのを矢代は思い、十日余りも続くあの地の真白な世界を想像してみて、その途方もなく巨大な白い塊の中に生活して来たロシア人の表情も、所詮は、我れ識らずに退屈と戦って来た長い苦しさかも知れぬと思ったりした...
横光利一 「旅愁」
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