...「成る程、ここから見ると、向うの岬が、丁度牛の寝ている恰好だ」云われてその方を振向くと、如何にも、今舟で廻って来た岬の端が、牛の寝た形に見えた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...成る程、喬介の手元を見ると、新(あらた)に掘り出されたまだ余り古くない白銀色の鉄粉の層の上に、褐色の錆を浮かした大きな染(しみ)が出て来た...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...ハッキリと見えましょう?……」「ふム成る程」警部が云った...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...成る程僕は不良少年だかも知れない...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...成る程、これでは冷える訳だ、こうして二時間もうずくまっていたら、風邪を引いてしまうかも知れない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...成る程、そこの一廓は男子禁制の女護の島であるけれども、外廻りには要所々々に番兵が立ち、晝夜の分ちなく見張りの眼が光っているのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...「成る程、此れは噂に聞いた通り、餘程気むずかしい人だな...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...物理学的な意味での物質とかエネルギーとかの概念は成る程自然科学にだけ固有なものだろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...(成る程、遠くまで届くものだな)近藤は、立木の背後で、散兵線を作って、整然として、少しずつ前進してくる敵に、軽蔑と、感心とを混合して、眺めていた...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...八郎太が「ふむ――成る程」と...
直木三十五 「南国太平記」
...「成る程、御尤もさまで――」と、常公が、思案に余ったような顔をしていた...
直木三十五 「南国太平記」
...綱はよく滑る」「成る程ね」「内儀を庇に吊るのに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心の臟まで突き上げた手際(てぎは)は大したもので」「成る程」「この人混みの中で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...成る程……それでは致し方がありませんが...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...成る程、考えてみると手や足で動作の真似をしたり、眼や口の表情で感情をあらわしたり、背景で場面を見せたりするのは、技巧としては末の末ですからね」「能」という名前の由来、もしくは「能」の神髄に関する説明で、これ位穿った要領を得た話はない...
夢野久作 「能ぎらい/能好き/能という名前」
...足の裏だのに響くのです」私は「成る程」とうなずいた...
夢野久作 「一足お先に」
...シッカリした考えは申上げかねるのですが……」「……成る程……それじゃその事件のあらましだけを...
夢野久作 「復讐」
...「……私は……もう二度と……コンナ眼に会って……顎を外そうとは思いませぬ」「ハハア……成る程……それでは乱暴者にでもお会いになりましたので……」「イヤそのようなノンキな事では御座いません」「……では大きな欠伸でも……」「イヤイヤ...
夢野久作 「霊感!」
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