...ポロス(豐足)とペニヤ(貧窮)との間に産れたるプラトンのエロスは現象の世界に在つてその到達し難き觀念の世界を抱かむとする永久の憧憬愛である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...我等は未知を求むる憧憬と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...若しくは現わるべきものに対して憧憬(どうけい)を繋ぐ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...戦争直後の危険の多いビルマに昭南からわざわざやって来た伊原氏は仏教国である以上は仏教芸術の立派なものが存在するに違いないという憧憬を持って来たのだが...
高見順 「仏像とパゴダ」
...その妙な思いというのはこうだ――おれがあんなに度々あんなに熱心に憬(あこ)がれた夢が...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「幻想」
...好奇心にみちた憧憬(どうけい)の対象として...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...文学的には中世的カトリックへの憧憬であったが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...憧憬(どうけい)の目的物として常に女を夢みていた...
夏目漱石 「こころ」
...実に詩は現在(ザイン)しないものへの憧憬であり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...プラトニックな恋愛を憧憬(しょうけい)したり...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...*64「虚無とは『生きている』と意識しないこと」と定義した上でボオドレェルの“Le Nant”への憧憬を想い出すこと...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...江戸中の女子供の憧憬(あこがれ)を一身にあつめているというのだからいかにも口惜(くや)しい...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...言語による解脱も知らぬ唖の人生――に寄せている僕の憧憬は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...中にも貴族的品格と正しい礼節とを憧憬し...
室生犀星 「愛の詩集」
...ほのかな憧憬(あこがれ)に似てあまやかなものだった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...非常識の世界に憧憬(あこが)れている人々である...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...シヴァやインドラの快楽を憧憬するインド教に侵されていなかったからであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...むしろそれは西方浄土への憧憬として...
和辻哲郎 「鎖国」
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