...覺えず愴然として涙下る...
大町桂月 「房州紀行」
...悲愴(ひそう)な顔をして曽根が寝ているのを見ると...
相馬泰三 「六月」
...また悽愴(せいそう)なこの恋愛がいつまで続くかを考えるたびに...
徳田秋声 「仮装人物」
...このやうに悲愴げに読むところで...
中原中也 「その一週間」
...言ひやうも無い悲愴な表情をするのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨夜音楽をきいてチャイコフスキーの「悲愴(パセテーク)交響楽」をきいて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...水西荘の水仙花は里恵をして感愴(かんさう)せしむること甚深であつたと見えて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...毎晩点呼後の班内は悽愴の気に満ちた...
夢野久作 「ざんげの塔」
...凄愴感、妖美感に昏睡せしむるであろうかは、筆者の想像の及ぶところでないであろうことをここに謹んで付記しておく...
夢野久作 「二重心臓」
...頻(しき)りに悽愴(すご)がってシンミリしている鼻の先へ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...やがて、谷間から、裏から表から、これへ犇々(ひしひし)近づいて来る敵の気はいを知ると、さすがに、膝を立て、太刀をつかんで、「来たっ――」「思い残すところなくやれよ」「いうまでもない」らんと、みな眼をかがやかし、はやくも、悽愴な気を、眉に、唇に示し合って、針鼠(はりねずみ)のように、体じゅうを硬めていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...そして依然、大波天にみなぎり、乱雲のあいだからほのかな月光さえさして、一瞬は晃々と冴え、一瞬は青白い晦冥(かいめい)となり、悽愴の気、刻々とみちていた...
吉川英治 「三国志」
...凄愴なる血の雲霧が...
吉川英治 「三国志」
...京都に入るまえの凄愴(せいそう)な眉から...
吉川英治 「新書太閤記」
...悽愴(せいそう)比なき乱軍であったことを...
吉川英治 「新書太閤記」
...まったく罪でございますぜ」「…………」愴然(そうぜん)たる白衣(びゃくえ)の人(ひと)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...この世のものとも思われない凄愴(せいそう)な谺(こだま)を呼んだ...
吉川英治 「源頼朝」
...初めて凄愴(せいそう)な青白さを...
吉川英治 「宮本武蔵」
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