...惜しくも目盛盤(めもりばん)を合わせているうちに...
海野十三 「地球要塞」
...名残(なごり)惜しくもクロクロ島を出掛けたのであった...
海野十三 「地球要塞」
...口惜しくも本船はたくさんの貨物とともに海底ふかく沈んでしまった...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...こんなに急いでこの病院を去つて了ふのが惜しくもあつた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...そんなに口惜しくもなかつたのである...
太宰治 「津軽」
...自分と共に朽ち果てさせてしまうのは餘りにも不憫(ふびん)であり惜しくもある...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...治安維持法の「改正法」案は衆議院を通過したが惜しくも貴族院で握り潰された...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...それらはさほど惜しくもないが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...フイラデルヒアに迫つて惜しくも破れた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...――惜しくも、彼の稀なる九折の回廊も共に消え去せたが、吾等は、常緑樹の翠の香が煙りの如く漂ふうちに――何時、何処でゞも、居ながらに、直ちに彼の悉くの珠玉の光りに接し得らるゝ――...
牧野信一 「珠玉の如き」
...惜しくも廃席した...
正岡容 「大正東京錦絵」
...朝茶を飲み乍(なが)ら昨夜の恋の紛紜(ふんうん)を考え出し熱く邪気ない恋をしてくれた小娘をああした邪慳(じゃけん)な捨て方で捨ててしまったのがどうやら残り惜しくも思われれば...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...惜しくもない私の命が祈りとか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...以前集められたものは惜しくも焼失したけれども...
柳田國男 「地名の研究」
...惜しくも敵方の先手の大将夏侯惇(かこうじゅん)とわたりあい...
吉川英治 「三国志」
...去(さん)ぬる建安八年の戦いに、父の凌操(りょうそう)は、黄祖を攻めに行って、大功をたてたが、その頃まだ黄祖の手についていたこの甘寧のために、口惜しくも、彼の父は射殺されていた...
吉川英治 「三国志」
...身に過ぎた大金に思えて惜しくもなった...
吉川英治 「春の雁」
...――なぜならば、杖と刀とが、彼の頭上で、がっきと十字に噛み合ったせつな、杖(じょう)の先と武蔵の胸のあいだには、惜しくも、ほんの一寸ほどな空間を残していたからである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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