...華族と法律とを拵(こしら)へる事を情慾のやうに心得てゐる国家が...
薄田泣菫 「茶話」
...人間社会の肉体的情慾の神となり...
高木敏雄 「比較神話学」
...おそろしい情慾をさえ感じました...
太宰治 「ア、秋」
...突風の如き情慾を巻き起させる...
太宰治 「春の盗賊」
...それは或る夜の突発的な情慾のやうに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...『與へよ我に情慾と愛との祕術――これにより神靈及び人間を汝の制し馴るるもの...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...逆に襲って来た情慾(じょうよく)に眼が眩(くら)み...
富田常雄 「刺青」
...――室の中にいて女を思うのは一種の情慾だが...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...向う見ずな情慾も恐らくなかったろう...
豊島与志雄 「波多野邸」
...それに恥を忍んで自分の情慾の事を打ち明けて...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...浅ましい人間の情慾...
中里介山 「大菩薩峠」
...その埋み火が、新(あらた)に薪(まき)を添えられて、燃えさかる情熱となったのは、綾麿が十七の年、声変りがして、鼻の下が薄黒くなって、理性と情慾と、信仰と迷信と、渦を巻いて五体を駈けめぐり始める頃でした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...情慾の強い惱みを抑へ...
萩原朔太郎 「宿命」
...こんな季節のつづく間ぼくのさびしい訪問者は老年の よぼよぼした いつも白粉くさい貴婦人ですああ彼女こそ僕の昔の戀人古ぼけた記憶の かあてんの影をさまよひあるく情慾の影の影だ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ここをさまよひきたりてうれしい情(なさけ)のかずかずを歌ひつくすそは人の知らないさびしい情慾 さうして情慾です...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...自分の情慾の暴威を反省する力丈は持って居るのではあるまいか...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...無意識に震える情慾の感じ...
宮本百合子 「五月の空」
...この少女が間もなくこの巣窟の荒々しい情慾のやさしい鬼にならうとは...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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