...人の悶々措(お)く能はざる極貧の境涯に淡然として安住するを得るに至れり...
石川啄木 「閑天地」
...其の慰安となり其の消悶の具となるものは唯読書あるのみだ...
市島春城 「読書八境」
...悶踏(あしずり)に木も動揺(ゆら)ぐめり...
巌谷小波 「こがね丸」
...あたかも稲麻(とうま)竹葦(ちくい)と包囲された中に籠城(ろうじょう)する如くに抜差(ぬきさし)ならない煩悶(はんもん)苦吟に苛(さいな)まれていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...彼は友達の苦悶を見るに見兼ねたのだ...
江戸川乱歩 「鬼」
...夜昼をしらず家雪にうづまりて日光を見ざる事十四五日(連日ふゞきなるゆゑ雪をほる事ならず家うづまりてくらきなり)人気欝悶(うつもん)して病をなすにいたれるもありけり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...身悶えしたくなる...
太宰治 「女生徒」
...ひどく煩悶して窶れていました...
豊島与志雄 「食慾」
...その悶(もだ)えがあまりに重くして深いことの怨みがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...全く相手に兄さんという烈(はげ)しい煩悶家(はんもんか)を控えているためだったのです...
夏目漱石 「行人」
...ひどい苦悶の跡を留めるにしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此上私は苦悶を重ねたくはないのですから...
平出修 「計画」
...向鉢巻(むこうはちまき)でやッつけろ!で、私は性慾の満足を求めても得られなかったので、煩悶していた...
二葉亭四迷 「平凡」
...どうしても泳ぐ術の出来ない水夫の煩悶にも似てゐた...
牧野信一 「秋晴れの日」
...願わぬことにもかかわらず変わった姿を見つけられた時の恥ずかしさはどうであろうと浮舟(うきふね)は煩悶して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...世上(せじょう)の成行(なりゆ)きは如何いたしたものか」彼は微かな憂悶(ゆうもん)を覚えた...
吉川英治 「黒田如水」
...癲癇(てんかん)の発作に襲われたみたいな苦悶をした...
吉川英治 「三国志」
...範宴はそれを知るがためにいっそう自責の悶躁(もんそう)につつまれた...
吉川英治 「親鸞」
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