...高橋健三は官報局の局長室に坐している時でも従五位勲何等の局長閣下でなくて一個の処士自恃庵(しじあん)主人であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...矜恃(きょうじ)を持っているかに見えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お前をみんなが恃(たの)みにしているよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...天文(てんぶん)二十三年秋八月越後国春日山の城主上杉入道謙信は八千余騎を引率して川中島に出陣ありそのとき謙信申さるるやう加賀越前は父の仇(かたき)これをほふりてその後に旗を都に押立てて覇(は)を中原に唱へんことかねての覚悟なりしかどかの村上が余儀なき恃(たの)み武士の面目もだし兼ね……悲調を帯びたりんりんたる節が聞えたかと思うと...
中里介山 「大菩薩峠」
...自らの力を恃まず...
波多野精一 「時と永遠」
...つくづく吾人の知識の恃(たの)み難きものなることを嘆じ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...高橋自恃居士(じじこじ)も同じことだつたといふし...
正岡子規 「病牀六尺」
...親兄弟の勢力に恃(たの)む所があって宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心自(みずか)らこれを恃(たの)んでいた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...世界に恃(たの)むに足るものは自我の外には無い...
森鴎外 「妄想」
...バックはそれが好きでなかつたが、その仕事によく堪え、デイヴやソルレクスの流儀にならつて、矜恃をもち、仲間が、それに矜りをもつもたぬに拘らず、充分に協同するように監督した...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...深く恃(たの)める力あり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...脇屋殿がそちを恃(たの)んでお見えなされたようなわけだが」「わかりました...
吉川英治 「私本太平記」
...また味方のうちにすら嫉視(しっし)の輩(はい)も尠なくない――いわゆる人生の嶮路(けんろ)にさしかかっている彼として――竹中半兵衛を恃(たの)むことはなおさら切実であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...途方に暮れている勝頼ひとりをなお杖とも柱とも恃(たの)んで...
吉川英治 「新書太閤記」
...織田家との婚姻による緊密化などに恃(たの)んでいたのとは...
吉川英治 「新書太閤記」
...一時政の力を恃(たの)みとはしていない...
吉川英治 「源頼朝」
...そこの天嶮を恃(たの)みにしていた...
吉川英治 「源頼朝」
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