...ふだんから自分の一人むすこの悪友でもあるかのごとく思いなして...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...かくの如きはあらねばならぬ須要(しゅよう)のことのように思いなし易い...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...思いなしか、そのずっと先の方に恵庭(えにわ)の奇峰が夜目にもかすかに見やられるようだ...
有島武郎 「星座」
...思いなしか、私には彼が何事かをかくしている様にも見えます...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...思いなしか仙ちゃんは熱っぽい声で袈裟御前が首を落されるあれ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...腐ってる役者なんかを奮起させたり、この頃上ったりのうるさ方がまともな根性を持って、おでん屋を開くようになったり、――但馬というのは、これはもしかすると、何か異様なものを持った、普通の人間とちがう、凄(すご)い奴かもしれないですな」一気に言ったが、思いなしか、最後の言葉を言った時のその嗄(しゃが)れた声は、恐怖に似た畏敬(いけい)と憎悪に似た反撥との奇怪な混合を示しつつ、震えていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...思いなしか鼻さえ少したかくなった...
太宰治 「狂言の神」
...そして、思いなしか、眼の光にも曇りが出来て、何となしに憔悴(しょうすい)した表情がこの人の全外容に表われているのであった...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...さては思いなしの通り...
中里介山 「大菩薩峠」
...思いなしか彼は変に熱心だった...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...まるで一つの大きな貝殻のように思いなしていた...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...ところどころに座っているお客の顔が思いなしか...
正岡容 「寄席」
...夫人に劣っていないと見たものの思いなしか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...思いなしか一段崇高な御美貌(びぼう)と拝されるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...気高(けだか)い美が思いなしによるのかいささか劣って見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...思いなしかずっと見劣りがされた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼は幾たびとなく彼女に接吻しつつその答を得つつあるかに思いなしたり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...生けるが如(ごと)く思いなして...
山本周五郎 「おもかげ抄」
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