...仔細を問えど女は袖を顔にあてて忍び音に泣くばかりなり...
饗庭篁村 「良夜」
...妙子は戸の外に佇(たたず)んだなりじっと忍び泣きをこらえている...
芥川龍之介 「或恋愛小説」
...是素(もと)より予の善く忍び得る所にあらず...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...壁と見せて忍び戸を拵(こしら)え置き...
泉鏡花 「活人形」
...流石(さすが)の僕も感覚において忍びず...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...そんな青年達の忍びこんでいたような形跡(けいせき)は一向(いっこう)見当らなかった...
海野十三 「地獄街道」
...その窓下に忍びよった大隅学士は...
海野十三 「地球盗難」
...どうして忍び込むことが出来たのでしょう」大鳥氏は名探偵の顔色を読む様にして云った...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...そっと裏口から忍び込んで二階に上り...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...桑は不思議な物として見るに忍びないので手厚く葬った...
田中貢太郎 「蓮香」
...ここから曲者が忍び込むことなどは思いも寄りません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...口にいい紙に記すに忍びざるの事情あらん...
福沢諭吉 「教育の事」
...黙過するに忍びない因果な性癖に依るらしかつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...何處の誰だかわかりもしない他人の手に委ねる事は情に於て忍びなかつたのださうである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...机に居ても 空は見え畳に座しても大どかな海の円みと砂のかおりが頬のあたりに そっと忍びよって来るああ...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...「珍しくお忍び歩きをなさいましたのですよ」と女房たちはささやいていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その理想の美をも併せて灰燼(くわいじん)とするに忍びず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...お忍びで曲輪へかよったというだけで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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