...その様子を心なしか...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...心なしか今迄懇意にしていた人々が急に自分を妙な眼で見始めたような気がしてならなかったのに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...心なしか今日は十勝の噴煙も高々と立っているようである...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...そういうあの方の後ろ姿は、私の心なしか、いつになくお辛そうにさえ見えた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...心なしか、少女はもう少し疲れてゐるやうに見えた...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...心なしかグレイの震え声や...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...心なしか潤んでいた...
三木清 「西田先生のことども」
...心なしか小村雪岱氏の纖細な筆で描かれた綺麗な表紙も何時(いつ)の間にか手擦れ垢じみて來たやうに思はれた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...心なしかほっと安堵(あんど)したような色が眼にあらわれるのを私は見たと思った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...心なしかその睫毛のない眼をしばだたいて...
吉川英治 「大谷刑部」
...心なしかワッという鬨(とき)の声(こえ)と共に...
吉川英治 「剣難女難」
...夜に入ると、心なしか、地は常よりも暗く、天は常よりも怪しげな妖星の光が跳ねおどっていた...
吉川英治 「三国志」
...心なしか愁然(しゅうぜん)と...
吉川英治 「三国志」
...心なしか、こよいはことに砦(とりで)のうえに、いちまつの殺気がみち満ちていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...心なしかその涙をふくんでいるように聞え...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...心なしか去年あたりより幾ぶん肉の削(そ)げたかに見える眼もとではあるが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...心なしか、こよいは、灯も鮮やかに、翳(くも)りなく点(とも)って、なんとなく胸も花やぐようなと、灯占(ひうら)をたてていたが――花田橋ではお許(もと)に待たせたが、こたびはわしが待つであろう瀬田の湖畔に牛をつないでと、武蔵からの便り...
吉川英治 「宮本武蔵」
...心なしか、そう思って、吉野朝以前からというここの古い砦型(とりでがた)の城を仰ぐと、四山の春は迫って来ているに関(かか)わらず、どことなくしいんとして冷寂な感がある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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