...遜れる心なしに人はこの十字架に堪へることが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...シヨーペンハワーが余には死を恐るゝ心なしと提言するとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...心なしか緊張に震える手をもって...
海野十三 「爬虫館事件」
...顰(ひそみ)をうつすも心なしや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...万(よろ)ず依怙(えこ)の心なし...
太宰治 「花吹雪」
...自他ともに恨(うら)みかこつ心なし...
太宰治 「花吹雪」
...大分離れてゐるので、表情迄は分らないが、今はもうすつかり縛(いまし)めを解かれて、心なしか、明るく元氣になつたらしく見える...
中島敦 「環礁」
...本当に怖ろしいことでございます」和七は心なしか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心なしに借用したのも古い事なのだが...
柳田国男 「海上の道」
...心なしかほっと安堵(あんど)したような色が眼にあらわれるのを私は見たと思った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...心なしかその睫毛のない眼をしばだたいて...
吉川英治 「大谷刑部」
...織田方には二心なしだ...
吉川英治 「黒田如水」
...心なしかワッという鬨(とき)の声(こえ)と共に...
吉川英治 「剣難女難」
...心なしか、こよいはことに砦(とりで)のうえに、いちまつの殺気がみち満ちていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...幸いにも、木曾下流の黒田ノ城の沢井左衛門からは、二心なしと、極めて態度をあきらかに、人質を送って来たが、それも犬山を敵手にゆだねてしまっては――甚だ価値もすくなくなる...
吉川英治 「新書太閤記」
...思ひよる心なしと自ら書いているのは...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...心なしか去年あたりより幾ぶん肉の削(そ)げたかに見える眼もとではあるが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...心なしか、そう思って、吉野朝以前からというここの古い砦型(とりでがた)の城を仰ぐと、四山の春は迫って来ているに関(かか)わらず、どことなくしいんとして冷寂な感がある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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