...微かなやさしい薔薇色に染んでゐるとの二つである...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...ごく微かではありましたが...
石原純 「トーマス・エディソン」
...谷川の囁くやうな響は微かに下に下に聞えた...
田山花袋 「歸國」
...やゝあつて多景島と白石島とが遠く水の上に微かな姿を現はしてきた...
近松秋江 「湖光島影」
...「猩々」の文句一二ヶ所は今でも微かに節をおぼえてゐるからをかしい...
坪内逍遥 「十歳以前に読んだ本」
...微かな灯影の中にでも...
直木三十五 「南国太平記」
...枕元の二分心のランプは心が一杯に出て油煙が微かにホヤの上に立つて居る...
長塚節 「隣室の客」
...封印の表にはまだ微かに湿り気がある...
久生十蘭 「魔都」
...微かな風もなかつたが...
牧野信一 「痴日」
...笑ひがいつも幸ひであるともおもはぬのであるが……といふやうな心持は微かに持つてゐたから...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...そのまゝ微かな歌も歌へるやうになるかも知れない...
牧野信一 「円卓子での話」
...微風に靡いて微かに浮遊してゐるやうな心持だつた...
牧野信一 「妄想患者」
...瞬くやうな微かな光を時たま淡く放つだけで...
牧野信一 「籔のほとり」
...」と辰男は微かな返事をした...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...「まア!」モニカの唇から微かに驚愕の叫びが洩れた...
松本泰 「日蔭の街」
...そして円周や弧線の上に続いてゐる絶えまもないそれらの瞬間の風に揺いでゐる帷のやうな中心にやがてあなたの落ちついた耳は颯々と迸りただ一すぢに疾走するその健気な意志のありかを聞きとらないでせうか? そしてまたそれの努力の頂点に華やかな円天井の頂きに代るがはる立ち現れては死んでゆく水の作つた小さなオレンヂのころころと閃めいて触れあふ微かな響をも間もなくあなたの心は捕へたいと願ふでせう...
三好達治 「測量船拾遺」
...自分の心のなかの呟(つぶや)きのように微かだった...
山本周五郎 「新潮記」
...それは、微かに慄へて、幾條の小流れとなつて、射して來るやうに思はれた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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