...強い風はおほひらの雪をプラトフオムや車窓の中まで吹き込んで來る...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...破(やぶ)れ障子(しょうじ)に強い風が当ったような音をたてて彼は極(ご)く熱(あ)つのげんのしょうこを啜(すす)った...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...少くも微風よりも強い風が吹き初めて...
辰野隆 「雨の日」
...強い風が来て笠を吹き飛ばして...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「五通」
...そうした木草の枝葉が強い風に掻きまわされ...
田中貢太郎 「変災序記」
...島へ着いた翌日から強い風が出て...
田畑修一郎 「石ころ路」
...強い風さえ吹き添って来た...
徳田秋声 「足迹」
...強い風には急に、弱い風にはゆるやかに、頭を振っている...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...へんに強い風が流れる...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...夜と共に突然強い風が吹き出したと見えて...
永井荷風 「すみだ川」
...「強い風じゃ、火をつけたらよく燃えるだろう」「でも、江戸を焼き払うほどの火にはなるまい」「それは地の利を計らなければ……先年、大楽(おおらく)源太郎と、地の利ではない、火の利を見て歩いたが、彼奴(きゃつ)、人の聞く前をも憚(はばか)らず、今夜はここから火を放(つ)けてやろうと、大声で噪(さわ)がれたのには弱った」「あれは、そそっかしい男だが、感心に詩吟が旨(うま)かった」「どうだ、ひとつ放(つ)けてみようか」「しかし、つまらん、江戸城の本丸まで届く火でなければ、放(つ)けても放け甲斐がごわせぬ、徒(いたず)らに町人泣かせの火は、放けても放け甲斐がないのみならず、有害無益の火じゃ」「有害無益の火――世に無害有益の放火(つけび)というのもあるまいが」「では、通りがかりの道草に、いたずらをしてみようか」「地の利と、風の方向を考え、且つ、なるべくは貧民の住居に遠く、富豪の軒を並べたところをえらんで……」「面白かろう」さても物騒千万ないたずらごと...
中里介山 「大菩薩峠」
...さして強い風ではなかったけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...今朝も斯(こ)うやって強い風に逆らって立っている...
中島敦 「光と風と夢」
...人々は強い風にゆれる麦を掴んでは鎌を入れる...
橋本多佳子 「麦刈」
...強い風が吹いていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...冬の強い風が一(ひと)ひら一ひらの雪をもてあそぶのに似(に)ていますが...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...風がなければ雪明りというものがあるけれども、強い風のために、あたりは雪の幕を張られたようで、どこがどうなっているのか殆んどわからなかった...
山本周五郎 「風流太平記」
...よく晴れた朝で、庭の樹立の若葉が、初夏の陽ざしを斜めに受け、やや強い風に、ひらひらと光って見えた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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