...弱々しく美しく眺められる...
種田山頭火 「行乞記」
...蝿(はえ)の羽が弱々しく冬の薄日に光っていた...
徳田秋声 「足迹」
...ちょっと断っておくが、僕はまるで赤ん坊のように、こういうことを信じてるんだよ――いつかはこの苦しみも癒(い)えて跡形もなくなり、人間的予盾のいまいましい喜劇も、哀れな蜃気楼(しんきろう)として、弱々しく、まるで原子のように微細な人間のユウクリッド的知能のいとうべき造りごととして消え失せ、ついには世界の終局において、永久的調和の刹那(せつな)において、なんともたとえようのない高貴な現象があらわれて、それがすべての人々の胸に満ちわたり、すべての人々の憤懣(ふんまん)を柔らげ、すべての人の悪行や、彼らによって流された血を贖(あがな)って、人間界に引き起こしたいっさいのことを単に許すばかりでなく、進んでそれを弁護するというんだ――まあ、すべてがそのとおりになるとしてもだね、それでも僕はこれを許容することができないんだ、いや許容しようとは思わないんだ! たとい平行線が一致して、それを自分の眼で見たとしても、自分で見て、『一致した』と言ったとしても、やはり許容しないよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...晩秋の太陽の光りは弱々しく...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...」とコゼットは弱々しく言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...常子は着物をきてゐる時には首筋から肩へかけて痩過ぎたやうに弱々しく見えながら...
永井荷風 「来訪者」
...弱々しく躁(さわ)ぎはするが...
中原中也 「山羊の歌」
...それは弱々しく、小さい音ではありましたが、その清らかな調(しらべ)は次第次第に力を加え、やがて深沢深の演奏する邪悪な呪いの曲を引き千切り、支離滅裂に押えつけて、天楽のように高鳴るのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...弱々しくて愛嬌のある幾松は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し華奢(きやしや)で弱々しく見えますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蒼白い顏が少し弱々しく見えますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その手は弱々しく彼から逃がれようとした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...」と、彼は、弱々しく呟いだ...
牧野信一 「鏡地獄」
...「何もそんなに肚を立てないだつて好いぢやありませんか――」彼は私の姿を弱々しく見あげながら...
牧野信一 「病状」
...もどしてくれたかよ? うん?そめ ……(やっぱり弱々しく...
三好十郎 「鈴が通る」
...とおふみは弱々しくかぶりを振った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...お綱の気の弱々しく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...見るからに弱々しく思われた...
吉川英治 「旗岡巡査」
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