...与十の妻は黙って小屋に引きかえしたが...
有島武郎 「カインの末裔」
...引きかえした京城から半島を横断して清津に行ったが...
石川欣一 「可愛い山」
...残念ながら引きかえすこととなりました...
海野十三 「怪塔王」
...早くふもとへ引きかえせ...
海野十三 「雪魔」
...しかたがない、引きかえそう...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...ギンは急いで引きかえして...
鈴木三重吉 「湖水の女」
...それに引きかえて僕は何ちゅう不幸な運命の下に生れたのんでしょう」と...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...「タイメイ」さんはまた気がるに引きかえしてきた...
田畑修一郎 「石ころ路」
...それに引きかえ、フィーヨ、フィーヨ、フィーヨ、と、しおらしく鳴く鳥もある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...引きかえに金を渡す者からはむろん即座に受け取るが...
夏目漱石 「三四郎」
...彼女が十四歳の春ヴィーンからはるばるの旅路を辿ってパリに乗り込んだ時のきらびやかな楽しかった行列に引きかえて...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...いかにも快活な空模様であるに引きかえ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...居間へ引きかえそうとすると...
久生十蘭 「魔都」
...いつもの冷灰な趣きに引きかえ...
久生十蘭 「魔都」
...二人は引きかえした...
火野葦平 「花と龍」
...はい」使丁は一足出てただちに引きかえして来て云った...
本庄陸男 「石狩川」
...折も折、夜来の雨が今朝晴れて、あたりの風景は水々しいきらびやかさに満ち溢れ、さんらんたる陽(ひかり)は実(げ)にも豪華な翼を空一杯に伸べ拡げてうらうらとまどろんでいるが、それに引きかえ、不断(ただ)でさえ日の眼に当ることなしに不断にじめじめと陰険な渋面をつくって猜疑(さいぎ)の眼ばかりを据えているあの憎たらしい坂道は、どんなにか滑り易い面上に、意地悪な苦笑を湛(たた)えながら手ぐすね引いて気の毒な旅人を待ち構えていることだろう!――私は、この坂道と戦うための用意に自分のとゼーロンのと、一束にした草鞋(わらじ)と一歩一歩踏み昇る場合の足場を掘るためのスコップとを鞍の一端に結びつけて来たのであるが、今、それが私の眼の先で、ゼーロンの跛の脚どりにつれてぶらんぶらんと揺れているのを眺めると胸は鉛のようなもので一杯になってしまった...
牧野信一 「ゼーロン」
...これはいけないと見ると未練なくサッサと中途から引きかえして来る...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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