...未婚の女でとおして来た年老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...徒に巾幗の姿を弄ぶ三月雛となり了ンぬ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...火を弄ぶものは、気をつけないと――」尊は皺(しわ)だらけな顔に苦笑を浮べて、今はさらに拡がったらしい火の手を遥に眺めながら、黙って震(ふる)えている姪(めい)の髪を劬(いたわ)るように撫(な)でてやった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...各所で演説會を開いて過激な言論を弄ぶやうになつては從來會場を貸して居た佛教及び耶蘇教の會堂でも其を斷るやうになつた...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...たいてい毎晩のように三味線を弄ぶか歌沢をうたう...
伊藤野枝 「出奔」
...またはカフェエに相變らずの顏觸と薄ぎたない歌留多札を弄ぶやうだ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...私がもう一度自分の良心を弄ぶように誘惑されたのは...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...物を弄ぶのはその物の真髄を知らないからである...
種田山頭火 「赤い壺(三)」
...空しく言(こと)を弄ぶ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しろうとの女を弄ぶのは...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...春風の香しき鬢のもつれを弄ぶが如き律ありて...
永井荷風 「舞姫」
...浜口 あいつは戦地で自動車の運転をおぼえてきて、あっというような無茶な運転をする……危険に賭け、危機を弄ぶ、そういう気質の男は、いつかは、かならず失敗する……わざとあんなところに追いあげておいたのは、おれの心の深いところに、いつかは失敗(しくじ)るだろう、失敗(しくじ)ってくれればいいという、願望があったわけだ...
久生十蘭 「喪服」
...之を弄ぶは唯是れ一種の行楽事にして...
福沢諭吉 「新女大学」
...恰も猫が自分の尾を弄ぶ様に...
牧野信一 「喜劇考」
...それは現今でも囲碁を弄ぶ人が中には上達して師匠となり...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...弄ぶでもなく、運ぶでもなくに運ばれた一つの物體が、どこかの果に漂ひ寄つたとしても、そこに人間の發見の目がなかつたならば、それは偶然とも言へないのである...
水野仙子 「夜の浪」
...因って嘉儀の物と為しこれを弄ぶ〉とある...
南方熊楠 「十二支考」
...又專門審美家のうちにも粧飾語を弄ぶものあり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
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