...きょうもまず命は無事だったという底深い喜びがひとりでにわき出して来て...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...地球の傷口のように底深い口をあけている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...底深い好奇的な魅力に誘われた私は...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...「存在」の底深いところから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...怪しい底深い所から来る戦慄が私の全身に伝わった...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...幾度となく誓われた信念の後にもなお底深い所から上って来て二人を距てようとする淋しいもの...
豊島与志雄 「蘇生」
...いつ覚めるとも分らない底深い眠りだった...
豊島与志雄 「裸木」
...或る隠秘な仄かな底深い気持に陥っていく...
豊島与志雄 「父母に対する私情」
...その全体から不気味な底深いものを感じて...
豊島与志雄 「変な男」
...ただ闇夜(やみよ)に似た何か沈鬱(ちんうつ)な底深いもののみであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この風やこの雨には一種特別の底深い力が含まれていて...
永井荷風 「すみだ川」
...殿下の御命令に服従せんがためであります」これもまた何か底深い陰謀なのに違いあるまい...
久生十蘭 「魔都」
...底深い人間心理がそこにきびしく漂つてゐるやうで...
正宗白鳥 「心の故郷」
...そこまで自分を鍛えられるほどの底深い情熱をもち得る対象にめぐり合えるか合えないかということもまことにこれこそ千に一つの兼ね合いですものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...眼の底深い男が立っていた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...新らしい蜘蛛の糸のような底深い筆のネバリと...
夢野久作 「江戸川乱歩氏に対する私の感想」
...そうして大浪(おおなみ)を打つ患者の白いタオル寝巻の胸に、ムクムクムクと散り拡がって行く血の色を楽しむかのように、紅友禅の長襦袢の袖を、左手でだんだん高くまくり上げて、白い、透きとおるような二の腕を、力一パイにしなわせながら、ジロリジロリと前後左右を見まわしていたが、やがて眼の前の逞ましい胸が、一しきりモリモリモリと音を立てて反(そ)りかえって来たと思う間もなく、底深い、血腥(ちなまぐさ)い溜息と一所に、自然自然とピシャンコになって行くのを見ると品夫は、白い唇をシッカリと噛み締めたまま眼を細くして、メスを握り締めている自分の手首を凝視した...
夢野久作 「復讐」
...由良はだんだん何とも知れない底深い恐れを感じて来ると...
横光利一 「馬車」
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