...私はグラスをカウンタア・ボックスの方へぐっと差しだした...
太宰治 「断崖の錯覚」
...女の子は暫(しばら)くもじもじしていたが、やがて、雲呑の小鉢を下へ置き、肘(ひじ)のなかの花束からおおきい蕾のついた草花を一本引き抜いて、差しだした...
太宰治 「葉」
...空(から)になった瓦盃(かわらけ)を前に差しだしました...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...「これを」と云って差しだしたが...
田中貢太郎 「海坊主」
...やがて紅(あか)い唇を差しだしてそれにつけた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...戸の破れ目から隻手(かたて)を差しだした...
田中貢太郎 「白い花赤い茎」
...その傍にいた婢(じょちゅう)がお給仕の盆を差しだした...
田中貢太郎 「蠅供養」
...椀を差しだしたところで蠅が来てその手首にとまった...
田中貢太郎 「蠅供養」
...彼女もコップを差しだしかけたが...
豊島与志雄 「紫の壜」
...足もとに落ちていた鳥の尾羽(おば)のようなものを拾いあげて藤波のほうへ差しだし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...お手もとお邪魔さまと言って差しだしたのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...だまって掌を差しだした...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ニコニコ笑いながら手を差しだした...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...伏目がちの妻は韮山笠(にらやまがさ)を差しだしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...「何て……何てこったろうほんとに」シットリと湿(しっ)けた枝差しだしている傍らの柘榴の股になっているところへのせて置いたお線香二本...
正岡容 「小説 圓朝」
...改めて礼金の追加を差しだしても翁は頑として受けなかった...
山本笑月 「明治世相百話」
...大きな蓮(はす)の葉にくるんで差しだした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...西国大名と呼応して屈強な立場――捨ておいては一大事である」すぐ意見を書いて城代酒井侯(さかいこう)へ差しだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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