...静まることのない影なのだいつもこの山かげにまよひ歩いて人を惑はしたり亡ぼしたりする...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...君は薔薇(うばら)の花白き片山かげの紅顏(あから)少女...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...有渡(うど)の山かげおぼろにして見えわかず...
高山樗牛 「清見寺の鐘聲」
...わたしは眼をあげてその石清水(いわしみず)の山かげを仰ぎ...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...落ちてきた虫の生きてゐる・ふけて山かげの...
種田山頭火 「其中日記」
...濫作一聯如件・みほとけに供へる花のしつとりと露・朝風のうららかな木の葉が落ちる仏間いつぱいに朝日を入れてかしこまりました・山へのぼれば山すみれ藪をあるけば藪柑子・山ふところはほの白い花が咲いて・によきによきぜんまいのひあたりよろし・山かげ...
種田山頭火 「其中日記」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...山かげの石間(いはま)をつたふこけ水のかすかにわれはすみわたるかも――静かな山のかげの...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...下総(しもうさ)の山かげへ消えて行く『富士』の姿を見おくって...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...山かげに風をさけた細長い一つ家だった...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...そんな谷あいの山かげに...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...ちょうど山かげになった道のほとりで...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...竹やぶの細い葉を一枚一枚キラキラ強い金色にひらめかせながら西の山かげに太陽が沈みかけると...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...「山かげの落葉がくれのいささ水世にながれてはすみやかねなむ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...角力(すもう)に負けていふことも無し猿雖(えんすい)山かげは山伏村の一(ひと)かまへ 翁崩(くず)れかゝりし軒(のき)の蜂(はち)の巣卓袋(たくたい)他の地方にも有ったか知らぬが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...山かげの道はすでに暗い...
吉川英治 「新書太閤記」
...このあたり風のつめたき山かげに咲きてあざやけきみぞ萩の花この花は...
若山牧水 「秋草と虫の音」
...山かげの入江の海はいかにも冷たく錆び果てて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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