...尤も此邊では、戸籍上の名と家で呼ぶ名と違ふのがありますよ...
石川啄木 「足跡」
...この學校――尤も其頃は校舍も今の半分しか無く...
石川啄木 「雲は天才である」
...これを放したくないというお考えが両家におありになるのも御尤もでございます...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...その時教養とは尤もらしいが極めて退屈な文化人的ポーズに過ぎなくなるし...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...この職業的利益擁護組織だという尤もな形を通して...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...尤もこの要求は、この間の思わぬ関西風水害のおかげで政府の総予算の圧縮が必要となったため、明後年度からに延期されることになったが...
戸坂潤 「社会時評」
...尤も警察に追随する一部の世間人に云わせると...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...例えば一方が国体明徴(尤も之はもっと他のファシスト層からの借りものだが)・積極財政(之も実は虎の威を借る狐だ)と行けば...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...尤もバーデン学派の形式的な「認識」の観念には...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...彼が尤も痛切に感ずるのは...
夏目漱石 「それから」
...――尤も本人は井戸端へ忘れて置いたつていふが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いづれにせよ啓示は――尤も本質に必ずしも副はぬやうな諸現象は事實としては到る處に見られるが――永遠性と時間性との間に勢力範圍を適宜に割當てることによつて協定を結び妥協を遂げるやうなものではなく...
波多野精一 「時と永遠」
...尤も藤次郎は決心はしながらも...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...この上もなく生真面目な哥薩克連(尤もこの手合にとつては容色などは二の次ぎのことであつたが)を...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...尤も、この室は私自身が、プライベェトに借り、私が勝手に展望室と名づけてゐるのであつたから、漁場の休みにも営業にも関はりのあるわけではなかつたが、私の春愁の夢が恰も四囲に暗緑の深い帷を降して、幻想の昼寝に閉ぢ込るにふさはしい日々なのであつた...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...尤も練習したならば寧ろあの方が無神経に話せるだらうといふ気もしたが...
牧野信一 「蔭ひなた」
...尤もその場の気分では...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...尤もこの辺は学校の近くだから...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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