...尤(もつと)もらしい(うそ)をつきました...
芥川龍之介 「藪の中」
...さうして段々C君の書くものゝ中に横目で自分を睨んでゐるやうな物の云ひ振りを認めることが多くなつて來た(尤もこれは自分の僻目であるかも知れない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...尤も殿が殺されたとでも云うならば...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...尤もほんとうに絵を味わい楽しむためには...
寺田寅彦 「二科会展覧会雑感」
...尤(もっと)も、私達は、その頃の傲慢(ごうまん)な百姓の子供が、一緒に遊んでくれないので、勢い、兵さんの跡を追ったせいもあった...
徳永直 「あまり者」
...尤も北支事変は、軍当局が厳かに命名したように『「北支」「事変」』であって、決して全面的な日支戦争などではないのだし、国交断絶に照応する戦時動員はないわけであるから、之を以て真正の戦時体制とも真正の戦時動員体制とも云うことは出来ないかも知れないのだが、国民の覚悟とか民衆の義務とか社会のジェスチュアとかとしてなら、立派に戦時体制・動員体制・にあるのである...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...スピノザ(之には尤も露骨に物質の概念があるのではないが)を初め...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...表面上はあまり香しからぬ理由で(尤もそういう理由は大学の自治の手前大して重大性を有つとは思われないのだが)...
戸坂潤 「社会時評」
...尤(もっと)も東京駅へ人を送りに行った帰りだという事である...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...日が落ちて殘がなほ明かな數十分間は彼等の仕事が尤も捗どる時である...
長塚節 「寫生斷片」
...尤も相手を歯痒(はがゆ)がらせる様に拵(こしら)えられてゐた...
夏目漱石 「それから」
...「御尤(ごもっと)もで」平次はそれに軽くうなずきました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...尤も仕掛を考へ出せば別だ」「あの蓋は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も船から撃てば...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...尤(もっと)もそれは間もなく日光にあたってぼろぼろに裂け...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...尤(もっと)も一遍は途中(とちゅう)からやめて下りたけれど...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...宴飲の盛なることは秋冬の交が尤甚しかつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...尤もこの境界線はポルトガルとスペインとの間に問題となり...
和辻哲郎 「鎖国」
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