...寂しくやはらげて呉れた幹――はこの邊だらうなどと考へた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...翡翠(あをせみ)のやうに寂しい海岸に穴を掘つて...
薄田泣菫 「茶話」
...そして吾々が寂しく悲しくしてゐる時に他人の愉快な仲の好い樣を目撃する際に吾人はおそらく最も頼りない...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...にわかに寂しそうな顔をした...
徳田秋声 「新世帯」
...曇りつ照りつ寂しい暮秋の日...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...母は霜柱の昼過までも解けない寂しい冬の庭に...
永井荷風 「雪の日」
...寂しく聞えてくるのです...
南部修太郎 「S中尉の話」
...ひとり寂しく陸橋を渡つて行く...
萩原朔太郎 「宿命」
...動物園にて灼きつく如く寂しさ迫りひとり來りて園内の木立を行けば枯葉みな地に落ち猛獸は檻の中に憂ひ眠れり...
萩原朔太郎 「氷島」
...唯理解のみになつたと悟れる人の寂しみ...
眞山青果 「茗荷畠」
...女二の宮が子供をお持ちになることができずに寂しい御様子であるために...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この世をお愛しにもならぬ父宮を唯一の頼みにしてあの寂しい宇治の山荘に長くいたのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一人の下男と音のない寂しい日をくらしていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...何か言いたいような可憐な寂しい目をして送っていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...かかる古き染附の皿にはうるしのごとく寂しく凝固(かたま)りたる底(そこ)見え日ぐれごろ象のかげ長からずちぢまり一入悲しげに見ゆ...
室生犀星 「忘春詩集」
...これはまことに寂しいことである...
柳田国男 「故郷七十年」
...そしてそれらの雲よりもなおはっきり白く落ちて居る大小の滝は平常の寂しい山を甚だ賑かにし柔かにして呉れた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...メフィストがいなければ私の世界も寂しいだろう...
和辻哲郎 「転向」
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