...まぎれもないこういう家の一軒に(ありのままの事実を言うと...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...実を言うと近来は分科が過ぎているようである...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...だが、実を言うと、あんな田舎の丘の上で、而も殺人の現場で、オヨソその場面と飛び離れた蓄音器のレコードの缺片などを拾い込んだ僕の方が、君よりも、どれだけ不審な思いをしたか判らないよ...
大阪圭吉 「花束の虫」
...しかし、それでも私は、彼がオスロかどこか北方の首府に仕事と地位を持っている希臘(ギリシャ)の若い海軍武官であったことも、いつも小さな秤(はかり)を携帯していて、それで注意深くフィリップ・モウリスの上等の刻み煙草を計って、自分で混ぜて、晩餐後のヴェランダで零下七度の外気へゆっくりと蒼い煙りを吹き出す習慣のあったことも、例の大陸朝飯を極度に排斥して、BEEFEXと焼き林檎と純白の食卓布(テーブルかけ)に可笑(おか)しいほど固執していたことも、趣味として、部屋では深紅のガウンを着ていたことも、読んでいたバルビュスの作品よりも、実を言うと、巴里(パリー)版ルイ・キャヴォの絵入好色本のほうが好きらしかったことも、すべての犬をこわがって狆(ちん)に対しても虚勢を張ったことも、英吉利(イギリス)の総選挙を予想して各政党の綿密な得票表を作っていたことも、その一々に関して、食後から就寝までの数時間を消すに足る詳細な説明を用意していたことも、それから、これはたびたび言ったが、半東洋風の漆黒の頭髪を、ロジェル・エ・ギャレ会社製の煉香油(ねりこうゆ)で海水浴用護謨(ごむ)帽子のように固めていたことも――だが、彼が、外見を急造して、あのオテル・ボオ・リヴァジュへ乗り込んで来ていた巴里の理髪師ではなかったと、誰が保証し得る?そして、あのナタリイ・ケニンガムは、一年中のお給金を溜めてそれで着物を買って来た、名家の令嬢こと実は、倫敦(ロンドン)の一マニキュア・ガアルではなかったか――と、こういう、これは僕の想像である...
谷譲次 「踊る地平線」
...実を言うと原稿なんかどうでもいいんで...
谷譲次 「踊る地平線」
...けれども、実を言うと、フランダースの人たちがこのように賢明だったことは、めったにありませんでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...国を取り、城を屠(ほふ)った勝利者の獲物の中には、必ずや女がある――というようなことまで、ひとり旅の身には、何とはなしに思いやられるのでありましたが、実を言うと、それらの名所古蹟よりも、歴史人物よりも、兵馬の脳中に食いついて離れないのは、あの田舎芸者(いなかげいしゃ)の福松のことばっかりでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...付かないような――実を言うと...
野村胡堂 「女記者の役割」
...実を言うと俺はお粂が飛出すのを待っていたんだよ」「ヘエ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...実を言うとあの男の動機は悪(にく)めないと思いますよ...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...実を言うと、私はもともとこんな道楽には特別の趣味を持っていなかったし、ことにそのときには進んで断わりたかったのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...実を言うと、僕はなにかしらすばらしい好運が向いてきそうな予感がしてならなかったんだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...実を言うと、とても眠たい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...実を言うと、ボタン穴の花を見たときには一瞬気が動転しました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...実を言うと、殺菌処理が直ちに適用され、テムズ川の数キロ下流を検査したところ、全く無菌という結果だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...実を言うと省察の材料を与えもしないのだが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...……実を言うとね...
吉川英治 「江戸三国志」
...――実を言うと今日...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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