...今は髪の結ひ方に気をつける姉さんになつたのが...
石川啄木 「葬列」
...」「蔦吉姉さんはお達者?」と小さな声...
泉鏡花 「婦系図」
...姉さんはいけない人だと思つてゐるかもしれませんね...
伊藤野枝 「従妹に」
...君の姉さんの病気はきっと僕がなおして見せる...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...健さんの姉さんで名津子(なつこ)さんという方です...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...」と言ってあたりを見廻し、この妹を殺して絹を奪おう、この腰の刀で旅人を傷つけた事は一度ならずある、ついでに妹を斬(き)って捨てても、罪は同じだ、あたしは何としても、晴衣を一枚つくるのだ、こんどに限らず、帯でも櫛でもせっかくの獲物をこんな本当の男みたいな妹と二人でわけるのは馬鹿らしい、むだな事だ、にくい邪魔、突き刺して絹を取り上げ、家へ帰ってお母さんに、きょうは手剛(てごわ)い旅人に逢(あ)い、可哀想(かわいそう)に妹は殺されましたと申し上げれば、それですむ事、そうだ、少しも早くと妹の油断を見すまし、刀の柄(つか)に手を掛けた、途端に、「姉さん! こわい!」と妹は姉にしがみつき、「な、なに?」と姉はうろたえて妹に問えば妹は夕闇(ゆうやみ)の谷底を指差し、見れば谷底は里人の墓地、いましも里の仏を火葬のさいちゅう、人焼く煙は異様に黒く、耳をすませば、ぱちぱちはぜる気味悪い音も聞えて、一陣の風はただならぬ匂(にお)いを吹き送り、さすがの女賊たちも全身鳥肌(とりはだ)立って、固く抱き合い、姉は思わずお念仏を称(とな)え、人の末は皆このように焼かれるのだ、着物も何もはかないものだとふっと人の世の無常を観じて、わが心の恐しさに今更ながら身震いして、とかくこの一反の絹のためさもしい考えを起すのだ、何も要らぬと手に持っている反物を谷底の煙めがけて投げ込めば、妹もすぐに投げ込み、わっと泣き出して、「姉さん、ごめん、あたしは悪い子よ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...」姉さんは、顔をそむけた...
太宰治 「正義と微笑」
...」「姉さんは、僕たちの事を、とっても思っているんだねえ...
太宰治 「正義と微笑」
...「そりゃそうだろう、第一お前の名前からして変っているもの、ナオミなんてハイカラな名前を、誰がつけたんだね」「誰がつけたか知らないわ」「お父(とっ)つぁんかねおッ母(か)さんかね、―――」「誰だか、―――」「じゃあ、ナオミちゃんのお父つぁんは何の商売をしてるんだい」「お父つぁんはもう居ないの」「おッ母さんは?」「おッ母さんは居るけれど、―――」「じゃ、兄弟は?」「兄弟は大勢あるわ、兄さんだの、姉さんだの、妹だの、―――」それから後もこんな話はたびたび出たことがありますけれど、いつも彼女は、自分の家庭の事情を聞かれると、ちょっと不愉快な顔つきをして、言葉を濁してしまうのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...もしまたあんたはんがお小遣いでもお入用どしたら私の手を経て姉さんの方からどうともしますよって...
近松秋江 「霜凍る宵」
...「姉さんは」「御客の接待掛りだ」また嫂(あによめ)が後で不平を云う事だろうと考えると...
夏目漱石 「それから」
...――姉さんの考じゃ...
夏目漱石 「道草」
...姉さんはもう口をきけなかった?」「井戸端の石の上に俯向(うつむき)になっていました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」「業慾婆のガキ奴――脛つ噛りツ! 生臭坊主にでもなつてしまへつ……」「姉さん……トリ子……好いよ好いよ...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...すつかり姉さんになつて了つたな!」岡村がこんなお世辞を云ふと...
牧野信一 「晩秋」
...――姉さんの手は今夜ひどく冷たいねえ...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...姉さんの事言うなあ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...いつもお姉さんの縁談の邪魔になっていたことを思い出したの...
山川方夫 「歪んだ窓」
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