...私にはもう自分がむかし好んで会った人々の側にいることさえ出来なくなった...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...儂も何を好んで市長を苛めましょう」動坂三郎は憎々しいまでに落ついている...
海野十三 「深夜の市長」
...好んで夢の話をした...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...イヴリンは音楽を好んでいたので...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...」また彼は好んで声高にルイ十四世を嘲(あざけ)って言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼は好んで諧謔を弄した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...好んでまた鷹揚(おうよう)に与えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...軽蔑(けいべつ)の様子で目を見張ってながめながら好んで言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私はかように好んで下町(したまち)の寺とその附近の裏町を尋ねて歩くと共にまた山の手の坂道に臨んだ寺をも決して閑却しない...
永井荷風 「日和下駄」
...好んでお松が、人の師となりたがるわけではないが、お松は日頃の心がけもあり、ことに相生町(あいおいちょう)の御老女の家にある時、念を入れて字を習いましたものですから、なかなか見事な筆跡です...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして好んで煮(にえ)きらない思いに悩んでいる姿になってしまった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...帶のしめかたを、堅くもなくゆるくもなく、崩れさうには見えずにコチコチとさせず、褄もゆるやかでありながら、見る目はづかしいほどに蹴出しもせず、日傘を斜めにすらりと立つたかたびらの女、金魚鉢をかきまはさうとする乳のみ子を片手に仰向いて、話しかけながら鬢の櫛をさしこんでゐる女――かたびらは、古い風俗繪の大家が、好んで肩、胸、二の腕、腰の丸味を描き現し、あじあはせてゐる...
長谷川時雨 「夏の女」
...好んで文學技藝を奬勵し...
福沢諭吉 「帝室論」
...――まだ二十五やそこいらで、どんなところへでも嫁いでゆける身なのに、自ら好んで、一生を病氣で過ごすかも知れないやうな弘なんぞの傍に、一生を委ねようとしてゐる自分自身が、自分でもふいと淋しくなつた...
堀辰雄 「おもかげ」
...好んで素朴な天才の振りをしたがる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...和尚(おしょう)は奇行多くまた好んで源平の合戦その他の旧事を談ずるに...
柳田国男 「山の人生」
...お前は知性もない癖に何を好んで頭を悩ますのだという...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...普通歌舞伎劇場が好んで上演する多くの劇には...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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