...この海嘯には伊勢の大湊が潰れて千軒の人家を流し...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...しかもその二幕も間(あい)の山(やま)だの大湊(おおみなと)の船小屋だのいい処は除いて久能山と徳間峠しか出せないことになったから...
中里介山 「生前身後の事」
...左団次君に大湊船小屋の場を出させでもすれば同じ二幕でもずっと勝れた効果があったであろうが...
中里介山 「生前身後の事」
...「玉ちゃん、こりゃ大変だぜ、大変な手紙だぜ」「何だえ、嚇(おどか)しちゃいけないよ、落着いて読んでお聞かせよ」「お前の方が落着かねえんだ、読むと文句がうるせえから話にして聞かせるがね、この手紙を書いた女は、もう死んでるよ」「おや、あの女の方(かた)が?」「どんな女の方だか俺らは知らねえけんど、この手紙は、つまり遺書(かきおき)なんだね」「遺書?」「そうだよ、とてもわたしはこの世に望みは無いから死んでしまいます、鳥は古巣へ帰れども、行きて帰らぬ死出の旅だとよ」「ああ、それではわたしの歌を聞いて死ぬ気になったのか知ら……それから、どう書いてあるのですよ」「わたしは死んでしまいますけれど、あなた様はよく御養生をなすって下さいましというわけだ」「そのあなた様というのは誰のこと?」「それがそれ、宛名の、大湊、与兵衛様方小島という人なのよ、その小島というのは、これによって見ると男だね」「へえ、そういうこととは知らなかった」「それでよ、就きましてはここに二十両のお金がございます、これをお届け申しますから、これでどうかできるだけの養生をなすって、故郷へお帰り下さるように」「そうすると、向うの人も病気で悩んでいるのですね」「そうだ、これによって見ると、たしかに病気だね、何病とも別に書いてねえが、女が勤め奉公に出て、その血の出るような金を貢(みつ)いで男の病気を癒(なお)そうというんだね」「知らなかった知らなかった、それほどのお金だったら、あの晩に届けて上げればよかったものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...大湊は神代からの因縁(いんねん)のある古い古い船着(ふなつき)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...風浪険悪の夜は潮鳴りの声が大湊まで来るのは不思議ではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...船の上から大湊の陸の方をながめて物思わしげに立っているのはお松でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...大湊は船を造(こしら)えるところであり...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほどなく兵馬の姿は大湊の町の船着場(ふなつきば)へ現われました...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛んだ御苦労な役目でございます」六伊勢の国大湊(おおみなと)から出た若山丸は無事に伊勢の海を出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...伊勢参りをした時に大湊(おおみなと)で会って奇遇を喜んだこともありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お君を擁護して大湊の与兵衛の舟小屋をたずねなければ...
中里介山 「大菩薩峠」
...本土の果てなる大湊までは...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...恐れいります」「大湊の湊屋は...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...大湊の町へ入らぬうちに...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...大正九年に青森県の大湊付近を歩いて...
柳田国男 「故郷七十年」
...大湊へ渡れば、あれから津へ行く便船が出るはずだな」「はあ、四日市へでも、桑名へでも」「おやじ、今日はいったい、年暮(くれ)の幾日であったかなあ」「はははは、よいご身分でござらっしゃるの、年暮(くれ)の日をお忘れか、きょうはもう師走の二十四日でござりますわい」「まだそんなものか」「お若い方はうらやましいことを仰っしゃる」高城の浜の渡船場まで、武蔵は駈けるように歩いた、もっと駈けてみたい気がするのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...すぐ対岸の大湊(おおみなと)へ行く船はいっぱいだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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