...寂寞たる初冬の淋しさ、あたりには人聲も無く、塒に集つたさへ、其運動が靜かである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...ともかくここを当分の塒(ねぐら)にしてと思い定めたことである...
岩本素白 「雨の宿」
...数十羽の鶏の塒(ねぐら)は...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...そして塒(ねぐら)に急ぐらしい数羽の鴉(からす)が夕焼けのした空を飛んで行った後には...
橘外男 「逗子物語」
...傾きやすき冬日の庭に塒(ねぐら)を急ぐ小禽(ことり)の声を聞きつつ梔子の実を摘(つ)み...
永井荷風 「十日の菊」
...心置なき塒(ねぐら)を与えくれるもてなしぶりに...
中里介山 「大菩薩峠」
...塒(ねぐら)につかせてやるのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...四五日見(み)ねえで居(ゐ)たつけが塒(とや)にも幾(いく)らか有(あ)つたつけべ...
長塚節 「土」
...其(そ)れは古(ふる)い創痍(さうい)の穴(あな)に投(とう)ぜられるにしても彼(かれ)は土間(どま)の鷄(にはとり)の塒(とや)の下(した)に三人(にん)が安心(あんしん)して居(ゐ)るだけの食料(しよくれう)を求(もと)めて置(お)くことが出來(でき)る樣(やう)に成(な)つた...
長塚節 「土」
...鉈とりて竹を伐るむらどりの塒竹むら下照りてにほふ柿の木散りにけるかも二十七日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...入江を抱へた岡の松にはもう鴉が塒を求めて騒いで居る...
長塚節 「隣室の客」
...塒(ねぐら)へ歸れば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...塒(ねぐら)にゐるのをそつと捉へて柔(や)んはりと訊くんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...新谷町(しんたにまち)あたりを塒(ねぐら)にして...
樋口一葉 「たけくらべ」
...それは我々は狐や鳥になる外は容易に塒の見つかるものではないと云ふ事實である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...「深山木(みやまぎ)に塒(ねぐら)定むるはこ鳥もいかでか花の色に飽くべきあなたは誤解の上に立脚してお言いになるのだ」と反対して言ったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...七ちょうどよい塒(ねぐら)とここに一夜を明かしている虚無僧らしいのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自分のほんとの塒(ねぐら)へ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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