...いたずらに霧とも煙ともわからないものが濃く垂(た)れ籠(こ)めていて...
海野十三 「空襲葬送曲」
...馬につけると穂が房々と垂れて地に引きずった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...乃公(わし)の膝で小便垂(おしつこた)れをしたもんだが……」老人はかう言つて...
薄田泣菫 「茶話」
...」景雲はじっと頭を垂れて...
豊島与志雄 「画舫」
...絶望的にうな垂れるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...首を垂れて一言も言わぬ...
久生十蘭 「湖畔」
...――樽野の悴は、着物などはまるで体から離れて腰にはさんだタオルのやうに傍の方にまるまつて、シヤツと股引(もゝひき)ひとつになつてしまひ、腹匐(はらば)ひで、頬つぺたをぢかに畳におしつけ、涎を垂してゐた...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...頭を垂れて、唇を噛みながらゆるやかに引返した...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...いつまでも恵(めぐみ)を垂れる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...恵みを垂れたまうものと思っているだけであった...
柳田国男 「年中行事覚書」
...元はだらりと垂れるからの名だったろうと思う...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...一隅がやぶれて垂れさがっていた...
山本周五郎 「季節のない街」
...なぜだ」久兵衛は頭を垂れた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...神様の垂れ幕だの...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...吁嗟かくばかり覊軛ある世に、詩(うた)のみぞひとり自由なりける、天は彼より一切を徴して、代ふるに最も自由なるものを以て授く、彼亦聊か安んずるところなかる可らず、彼は終始常陸の僻邑に蟄居して、識を所謂中央文壇に求めざるを以て、彼の詩或は多く世に知られざらむ、友人某、々、々等深く之を遺憾とし、其詩集を公にせむことを勸む、我亦與かる、彼曰く、我世に望むところなし、只この一小册子を、垂白の慈母に、献じ、その容喜色を見るを得ば則ち足れりと、蓋し彼の慈母は彼の最大同情者にして、亦彼が敬愛する最初の人也、彼の詩を識ること、最愛吟誦者なる我等諸友人に讓らざればなり...
横瀬夜雨 「花守」
...頭の上から垂れ下った招牌や幟(のぼり)が...
横光利一 「上海」
...ねッとりと黒髪を垂れ...
吉川英治 「江戸三国志」
...ブランコに足先きを絡(から)んで垂れ下った葉子の...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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