...世間の寡婦たちがつまらない貞操観に囚はれて味気ないさびしい空虚な日を送りながら果敢(はか)ない習俗的な道徳心にわづかになぐさめられてゐる気の毒さを――...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...味気ない思い...
太宰治 「斜陽」
...などと言われるのは味気ないものである...
太宰治 「メリイクリスマス」
...味気ない思いもした...
近松秋江 「雪の日」
...之に反して不幸なる恋人によれば一切の事物は味気ない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...味気ないものであり...
中井正一 「美学入門」
...ても味気ないお芙美さん……...
林芙美子 「新版 放浪記」
...こんなのは毎度のことで馴れてはいるけれど何とも味気ない...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その中味が実に空虚な味気ないものだといふことを知つた...
平山千代子 「転校」
...人生は斯うしたものだから、今私共を嗤(わら)う青年達も、軈(やが)ては矢張(やっぱ)り同じ様に、後(のち)の青年達に嗤(わら)われて、残念がって穴に入る事だろうと思うと、私は何となく人間というものが、果敢(はか)ないような、味気ないような、妙な気がして、泣きたくなる……あッ、はッ、は! ……いや、しかし、私も老込んだ...
二葉亭四迷 「平凡」
...ホテルの味気ない生活がつく/″\嫌だ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」D「僕は尾崎士郎を個人的に知つてゐるが、彼には「河鹿」といふ名品がある、その他にもあるが、彼はあまりに慌しく様々な未完成的作品を書き飛ばし飄々として居を定めぬといふ風な生活を送つてゐるので、味気ないが、彼の永久に若々しい芸術的情熱は信頼が出来る、間もなく書斎に落着いて颯爽たる人生派文学の逸品を物するであらう、人生々活の自由なる遍歴者の姿に、流行も、古きも、新しさも、何の病ひあるものぞや、「悲劇を探す男」の作者よ、寒い風を袋一杯溜め込んで、S・S・F(サンニー・サイド・フール)――の愚劣な夢を吹き飛して呉れ...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...わたしにとって味気ない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...全く味気ないものになり果てました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...坊主にでもなった気で味気ない一生を送らねばならぬようにしか思われぬ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...味気ない安酒宴(やすざかもり)のご満悦が下らなくなるな...
吉川英治 「剣難女難」
...一しょに寝てさえ何となく味気ないやらぎこちなくて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...明けても暮れても霧が住居(すまい)じゃ」「味気ないと思うのか」「人間だからな」「それに克(か)つのが修行だ」「時々...
吉川英治 「親鸞」
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