...またいつとなく去りゆく人人(ひとびと)!友も妻もかなしと思ふらし――病(や)みても猶(なほ)...
石川啄木 「悲しき玩具」
...地平線のかなたで村の人々が火をたきつける頃はわたしも、わたしの煙突からほそい煙りを吹きなびかせてウォールデンの谷間のいろいろな野生の住民にわたしが起きていることをつげ知らせた――「軽いつばさの煙りよ、のぼりいくにつれておのがつばさを溶かすイカロスにも似た鳥よ、おのが巣である村々のうえをめぐる歌わぬひばり、あかつきの使者よ、あるいは、去りゆく夢か、真夜中のまぼろしの影のすがたがもすそをかかげるのか...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
......
高浜虚子 「椿子物語」
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高見順 「死の淵より」
...それはあたかも去りゆくものの最後の一瞥(いちべつ)を得んと望むかのように――...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...一人去りゆくのをじっと見つむることは言いようもなく寂しい思いである...
中井正一 「地方文化運動報告」
...去りゆく秋の名残り...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...去りゆく女が最後にくれる笑(ゑま)ひのやうに...
中原中也 「山羊の歌」
...飛び去りゆく飛行機の残す空中水脈が人間の眼球神経及び光彩矢条に波及する微妙なる反応...
仲村渠 「すらんらん集」
...汝は既に去りゆく身なれば...
ノワイユ夫人 Comtesse de Noailles 堀辰雄訳 「生けるものと死せるものと」
...去りゆく音を追って...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...夫は去りゆく妻を戀ひしたつて...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...青春の友情は青春の感激が去りゆく頃から...
浜尾四郎 「正義」
...去りゆく年の最後の夜...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...去りゆく戀人に向つて絶望したやうに手を振つてゐる...
堀辰雄 「詩集「窓」」
...もう去りゆく家の寂しさが雑然と漂(ただよ)っているのである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...煙のなかに去りゆくものは...
吉川英治 「松のや露八」
...橋を越えて去りゆく兄弟へ...
吉川英治 「柳生月影抄」
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