...後先を見廻して、一町も向うから電車が来ようものなら、もう足が動かぬ...
石川啄木 「天鵞絨」
...風に動かぬ粉にも似て...
泉鏡花 「婦系図」
...じっと動かぬ様でいながら...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...赤ん坊の眼の動かぬ時の凄さ充ち滿ちて溢れるものに迷ふ畏怖の眼だ...
千家元麿 「自分は見た」
...すでに頭を犯されたものもあって半ばはもう動かぬ屍体だがとりのける人手もない...
峠三吉 「原爆詩集」
...逃げればお前の足は動かぬぞ」「先生」「ははア...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...仔細(しさい)に観察し来(きた)ればそれら幾種類の水――即ち流れ動く水と淀(よど)んで動かぬ死したる水とを有する頗(すこぶる)変化に富んだ都会である...
永井荷風 「日和下駄」
...靴は踵(かかと)を深く土に据えつけて容易(たやす)くは動かぬ...
夏目漱石 「琴のそら音」
...烈(はげ)しき風の捲返(まきかえ)してすくい去ろうと焦(あせ)る中に依然として凝(こ)り固って動かぬ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...動かぬ證據を握つて居る番頭の市助の口は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その真ン中の動かぬゴー・ストツプの上で...
牧野信一 「街上スケツチ」
...一貫して動かぬという考えかたではなかったのである...
柳田国男 「海上の道」
...女はてこでも動かぬという感じで少尉をみつめていた...
山川方夫 「その一年」
...徳川氏の存在はかえって動かぬものとなるだろうから」「それはおかしいじゃないか...
山本周五郎 「新潮記」
...又は槓杆(てこ)でも動かぬ長尻の訪客を咄嗟の間に紙片のように掃き出して終(しま)うという辣腕(らつわん)家が時あってか出頭して...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...それが秋の午過(ひるす)ぎを、揺々(ようよう)と、動くが如く、動かぬがごとく、いわゆる戦気満々に、発向(はっこう)――の一令を待っているのが、武者のみか、馬までが、もどかしげに見えるのだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...動かぬところであるらしい...
和辻哲郎 「鎖国」
...彼らがその悪行に対して十分の弁明をなすまでは余はここを動かぬ...
和辻哲郎 「鎖国」
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