...カミン爐の上の置時計の時を刻むチクタクが聞える許り...
石川啄木 「新しい歌の味ひ」
...馬草を刻む音がきこえはじめた...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...懐中時計の秒を刻む音が...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...針を刻むセコンドは殊更に冴えて耳元に響く...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...年老いたやうにかつちり/\刻むのが淋しく聞えるだけである...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...また漏刻(ろうこく)の時を刻むように羯鼓(かっこ)の音が点々を打って行くのである...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...掛時計の秒を刻む鈍い音が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは肉体を生きながら刻むほどの苦しいたえ難いことであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...(明治三十四年作)反歌とこしへに山は立てども生けるもの杉にしあれば枯れにけるかも再び佛頂山を望みて作歌一首石刻む佛の山は青菅のしげき茂峯(しげを)に雲たちわたる(明治三十五年六月作)靈藥之歌并短歌八十綱をもそろに懸けし...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...文字を刻む針が腐蝕(ふしょく)させる液体をしたたらせていました...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...煖炉棚の置時計の秒を刻む音だけが...
久生十蘭 「肌色の月」
...わが草木とならん日にたれかは知らむ敗亡の歴史を墓に刻むべきわれは飢ゑたりとこしへに過失を人も許せかし過失を父も許せかしこれは彼がそのほど故郷に歸つて父の墓に詣でたをりの偶作で...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...やがて女の児がつれ去られ泣きつかれた男の児はそのあとへ這い込む九歳のしなやかな日やけ色の手脚をまるめて名もなつかしいおじいさん椅子(グランドファザーチェア)はおだやかに 大きく黄ばんだ朽葉色気持の和むなきじゃくりとミシンの音は夢にとけ入り時計はチクタクを刻むとなりの子供はみんな出払った休日(やすみび)の宵...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...待合室の大時計が秒を刻む音...
三好十郎 「おスミの持参金」
...琉球の人々は如何に石を刻むべきかを識らずして識っていたのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...彼(か)れのなかに一切を刻むやらん...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...尺地を刻むジリ押しにしか進み得なかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...お女中でも台所人でも老臣でも若い者でも、手があいている折は、任意にそこへはいって、薬草を刻む...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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