...今夜はこれを書き初める前に三通手紙を書かされた...
伊藤野枝 「出奔」
...トタン葺の屋根の間々からはネオンサインの光と共にラヂオの響が聞え初める...
心猿 「荷風翁の發句」
...「さア、これから、實業雜誌界月並みの『如何にして』云々の長(なが)表題的原稿だ」と、義雄は氷峰の机のそばに腹這ひになり、筆を執り初める...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...平気で菓子鉢に顔を突込んではボリボリと喰べ初める...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...いたずらを初めるかな」私はニヤニヤひとり笑いを洩(もら)しながら...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...もう灯火(あかり)のつき初める頃だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...雲が流れて強い日光が照り初めると直ぐに苺が熟した...
永井荷風 「花より雨に」
...昔後水尾帝の御代に始めて朝鮮から渡り来ったといわれる彼の蝋梅(ろうばい)でしたところが逸早く咲く花を着け一月には已に発(ひ)らき初める...
牧野富太郎 「植物記」
...或る所では家を立て始める時斧を使ひ初める大工が或る鳥又は獸の名を呼ぶ...
南方熊楠 「人柱の話」
...秋風の立ち初める頃...
森鴎外 「ぢいさんばあさん」
...世間の交際(つきあい)を初めるようになると...
柳田國男 「名字の話」
...息は嵐のように息吹(いぶ)き初める...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...全篇の生気を一挙に躍動させ初めるのだから大したものである...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...金切声を振り絞り初めるのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その反射交感の機能が弱り初める...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは早曉から初めるその水上の緩やかな冷たい運行をなす前に...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...いつも東から朝日がさし初めると...
吉川英治 「江戸三国志」
...彼女は機械的に何の特長もない演技をもって芝居を初める...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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