...少年は庭で出し抜けに私の膝のうえに倒れかかって来て...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...「政夫さん……」出し抜けに呼んで笑っている...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...出し抜けになぞ見たようで?」「なアに...
岩野泡鳴 「耽溺」
...この土地をひそかに逃げ出しては下さらぬか」「まァ何という出し抜けの縁談であろう」「それがいやとなら...
江見水蔭 「壁の眼の怪」
...三藏は受け取つて「君處へ遊びに行つてもいゝの」と又出し抜けに聞く...
高濱虚子 「俳諧師」
...尤も、四五年前にもこれによく似た身分違いの方面から雪子を望まれ、皆が飛び着いて調べて見ると、先方の家庭に不倫な事件のあることが知れて、愕然(がくぜん)としたことがあったので、貞之助は、今度もあれのようなのではなかろうかと疑い、菅野未亡人の好意は分るが、何だか少し人を馬鹿にしたようなところがある、順序も蹈(ふ)まないで、出し抜けに、会ってやるから出て来いなどと云うのは失敬ではないかと、憤慨したような口調で云ったが、でも、何と云っても今度の話は二年三箇月目の、久し振の縁談なのである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...底力のある声が盲人の名を呼んだ――出し抜けに...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...成る程、油断できぬわい」「それで、手間取ったのか」「いいや、遅参致したのは――つい先刻、出し抜けに、四ツ本が参って、手籠めにして、道具諸共、御門外追放じゃ」「三日の間と、申すでないか」「それが、急に、今日中に、出て行けと、足軽の十人も引連れて来たが――」「無体なことをするのう」「だから、軽挙ができぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...調所が出し抜けに出て来るとは...
直木三十五 「南国太平記」
...それから兄が私に如何(どう)して貴様(きさま)は出し抜けに此処(ここ)に来たのかという...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...背筋のぴんと伸びた痩せた男が出し抜けに入ってきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...飛び込もうとした闇太郎――出し抜けに呼びかけられて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...出し抜けにあらわれたか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...親たちの心次第でサッサと息子の嫁を極めて本人の知らない処へ明日は和郎(おまえ)のお嫁さんが来るよなぞと出し抜けに宣告される風(ふう)だからね...
村井弦斎 「食道楽」
...出し抜けでしたの...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...出し抜けに袖にぶら下がるのだもの...
森鴎外 「心中」
...一寸」「何んだよ」「目出度い話さ」「出し抜けに...
山中貞雄 「森の石松」
...出し抜けを喰わせたな...
吉川英治 「三国志」
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