...店先きに種々の綺麗(きれい)な大きな凧を飾って売り出したものであった...
淡島寒月 「凧の話」
...皆の引張(ひっぱ)り凧(だこ)になったから...
海野十三 「空襲葬送曲」
...凧揚げのあとは酒宴である...
寺田寅彦 「田園雑感」
...凧といっしょにふらりふらりと地面へ落ちてゆきました...
豊島与志雄 「椎の木」
...平身低頭していた凧の持主が...
中里介山 「大菩薩峠」
...正月が来ても凧(たこ)を揚げる楽しみもなかったのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...……誰にたのまれて凧をあげているんだ……...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...凧の糸のはしを帯前にむすびつけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……いわば、怪我の功名だったんですが、こういうところから推しますと、芳太郎はどうも罪にはならんようですな、……言うまでもなく、行灯凧は、『陣中狼火(のろし)の法』のひとつで、凧糸の釣(つり)にむずかしい呼吸のあるもの、また、これをあげるにも相当の技(わざ)があって、八歳や十歳の子供などにあつかえるようなしろものじゃない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...手近のからす凧へ雁木をひっかけはじめた...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...凧は、ほんとうのボーフラのやうに小さくなつて静かに浮いてゐた...
牧野信一 「鱗雲」
...竜凧といふのは去年も日比谷で挙げられたが...
牧野信一 「山峡の凧」
...ムカデ凧を上げるには何時も余程の苦心を余儀なくされた...
牧野信一 「山峡の凧」
...この辺での凧の期節が近かつた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...凧もって行ったらとび出して来て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのうちに子供のほうでもいくらかおちついたんでしょう、実はこれこれと話しだしたんですが、いやどうも、……殴られたのでもなければ誰にいじめられたんでもない、貴方もそれは意外だとお思いになるでしょうが、誰のせいでもないんです、つきつめたところそこは子供だと思ったんですが、実にばかな話なんですが、つまり凧があがらないっていうわけです」「凧、……凧、……凧がどうしたと」「あがらないんです、みんなの凧はあがってるのに彼の凧だけはあがらない、見ると嘘も隠しもないそこの地面にのたばってる、小っぽけな奴凧でしたが、……またのたばってるというのは仙台の方言で、寝転んでるっていう意味なんですが、それを覚えたについて仙台藩の人間と知己になったことから話さなければならないので、もし貴方がお聞きになりたければですが、いやそれはべつの機会にします、今はとりあえず要点だけにしますけれども、……それでですね、小ちゃな奴凧がそこの地面の上にのたばったわけです」「おまえがそれをあげたんだろう」右衛門はついに喚きだした、「――そのへたばった凧を、その小っぽけな奴凧をその子供の代りにあげたんだろう」「貴方は見ていたようなことを云いますが」「うるさい、黙れうるさい」右衛門はここでまた拳骨で眉間を押え、右の足で廊下を叩きながら叫んだ、「――なにがひくにひかれぬだ、武士の面目と凧とどんな関係がある、殿までひきあいに出す必要がどこにあるんだ、おれはおまえに満信へ使いを頼んだ、おれは返辞を待っていた、ところがきさまは途中でひっかかって、まるで阿呆のように凧をあげていた、凧を、凧を、凧を」「しかし待って下さい」泰三は少しずつ脇のほうへ退却しながら、「――私はふと使いのことに気がついたんです、これはいけない頼まれたことがある、こうしているばあいではないと、しかし気がついてみるとひどく腹が減ってる、非常な空腹なんで、まさか貴方がそんなにむきに怒ろうとは思いませんから、ちょいと午飯(ひるめし)を」「おれは上訴する、江戸の殿へ、おれは」「いってまいります、すぐです」泰三は横っ跳びにうしろの襖をあけた、「――ほんのちょっとのまです、どうか暫く」そして脇玄関のほうへとびだし、どこかの障子でも蹴倒(けたお)したのだろう、ばりばりがたーんという物音をさせ、さらにがたぴしどたばた賑やかな音響を展開しながら、ついに外へと出ていった...
山本周五郎 「思い違い物語」
...糸の切れた凧がどこかへ飛んでゆくように...
山本周五郎 「季節のない街」
...荊州は両国からひッぱり凧(だこ)になったわけである...
吉川英治 「三国志」
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