...凝り固まつたやうに立つてゐる良秀は...
芥川龍之介 「地獄変」
...肩の凝りきった時のような感じが体全体に漲(みなぎ)った...
有島武郎 「星座」
...清元を習ひ出すと氣分迄も清元にしようとする凝り性の顯はれだと解つたのである...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...此れだけ巧者になるのには餘程此の道に凝り固まつてゐるに違ひない...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...宛も水のあるところにだけ凝り集って...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...凝り集って朧ろな命に蘇えったものであろう...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...凡ての事象がひっそりと凝り固まっている...
豊島与志雄 「反抗」
...だから……と云ってはあまり飛躍しすぎるけれども、リイラダンの「ヴェーラ」に於て、ダトール伯爵はその最愛の夫人ヴェーラの死後、その居室を彼女の生前の状態通りにし、彼女と二人で暮していた時と同様の日常を続け、そこに閉じこもっていたところ、遂にその室――長椅子、衣裳、煖炉棚、宝石、香料、寝台、花瓶、ピアノ、楽譜、窓掛、其他さまざまのもの、その全体が、彼女の生前同様の雰囲気で生き上り、その中心にある空虚が、次第に凝り、彼女の形態を取り、そこに彼女が身を置けば凡て満たされるばかりになり、而も未だその空虚はそのまま、じっと持ちこたえられて、今や極限に達し、崩壊の危機の瞬間に、彼女と全く同質のその空虚は、忽然と彼女を出現させた……...
豊島与志雄 「文学以前」
...詩情を失つた詩人の修辭學的な凝り性によつて...
萩原朔太郎 「永遠の詩人」
...その心が急に憎悪の感情に凝り固まるようなことは余りない...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...浅蜊の煮汁をやればいいのとさんざんに凝りぬく...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おのれの手で谷戸の貧郷士を射ちとめてやりたいというひとつのねがいに凝り固まっているようにみえた...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...ことに晩年は骨董(こっとう)などにお凝りになり...
堀辰雄 「菜穂子」
...と云って出て来たお久美さんの顔は小女が気味を悪くしたほど真面目に凝り固まって居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...この頃の小説の題は皆一凝りも二凝りもこって居ます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...生(せい)の我等に与えた美しき感じが下界のとよみの中で凝り固まってしまう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...米英諸国は侵略主義に凝り固まっているから自分たちの弱点をわる賢く...
山本周五郎 「季節のない街」
...主人が風流家で万事大凝り...
山本笑月 「明治世相百話」
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