...例に因って、室々へ、雪洞が入り、白衣が出で、夫人が後姿になり、看護婦が前に向き、ばたばたばた、ばたばたと規律正しい沈んだ音が長廊下に断えては続き、処々月になり、また雪洞がぽっと明(あか)くなって、ややあって、遥かに暗い裏階子(うらばしご)へ消える筈(はず)のが、今夜は廊下の真中(まんなか)を、ト一列になって、水彩色(みずさいしき)の燈籠の絵の浮いて出たように、すらすらこなたへ引返(ひっかえ)して来て、中程よりもうちっと表階子へ寄った――右隣が空いた、富士へ向いた病室の前へ来ると、夫人は立留って、白衣は左右に分れた...
泉鏡花 「婦系図」
...三十九章に入りては山羊(やぎ)...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...じつに多種類の食品が入り込み...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...清らかに澄みきった二つの音の流れがゆるやかな拍子で合ったり離れたり入り乱れて流れて行く...
寺田寅彦 「写生紀行」
...動物の中でもたとえばこおろぎや蝉(せみ)などでは発声器は栄養器官の入り口とは全然独立して別の体部に取り付けられてあるのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...話も兎角(とかく)滅入り勝ちで...
野村胡堂 「踊る美人像」
...それを救つた船頭の手に入り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...念入りに兩方の結び目を調べたに違ひありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...母家へ入りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...出入りの相撲(おすもう)さん×山関がいうとおおかめさんとなる...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...彼が半樽の余も入りさうな大コップで焼酎(シウーハ)を注文した時には...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...昼の部、いゝ入り...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...獣を思わせる嗄(しわが)れ声やどすどすと歩く足音などが入り乱れて聞こえてきた...
北條民雄 「いのちの初夜」
...今直ぐにも誓いを立てて仏の道に入りたいので御座います...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...だんだんに入り込んで村里の歴史を紛乱せしめたことを...
柳田国男 「雪国の春」
...日影町通りのある珈琲店に入りびたった...
山之口貘 「酒友列伝」
...赤いアルコール入りの寒暖計をブチ壊すのも同じ事に心得ているのだからね...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...泣き寝入りとなっています』『じゃあ...
吉川英治 「魚紋」
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