...而して中原の鹿誰が手に落つべき乎は未俄に断ずべからざりしなるべし...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...妾の心臓は俄かに激しい動悸(どうき)に襲われたのであった...
海野十三 「三人の双生児」
...違うはずはないんだが」帆村探偵の自信は俄(にわ)かにグラつきだした...
海野十三 「蠅男」
...俄かに逮捕されることが恐ろしくなったという訳ですね...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...俄(にわか)に調子の高まった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...其事を増田から漏れ聞いた三藏は俄に行李を納めて其前に出發してしまつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...市俄古(シカゴ)トリビュウンの写真班が亜米利加(アメリカ)漫遊中のニウジイランド鉱泉王を襲撃に来たように...
谷譲次 「踊る地平線」
...此頃俄に日本の文学を疎(うと)んじ出したのは無理のない事だと思いました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...」云いさして彼女は俄に口を噤んだ...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...それから俄に、上機嫌か不機嫌かがやってくるのだ...
豊島与志雄 「理想の女」
...お品(しな)は其(そ)の夕刻(ゆふこく)から俄(には)かに痙攣(けいれん)が起(おこ)つた...
長塚節 「土」
...俄然(がぜん)として新天地が現前するのでございます」宗助は自分の境遇やら性質が...
夏目漱石 「門」
...一擧に俄か造りの壇を舐(な)めます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俄かに風が吹いて来て...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...俄に稽古場の窓へ朝顔の蔓を絡ませたり...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...銀行の内部は俄(にわか)に専務を中心にして緊張し始めた...
横光利一 「上海」
...俄に城内から運ばれた夜食が用意せられて居た...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...いずれは由縁(ゆかり)へお身を潜めているものと思われますから」「む! たのもしい」尊氏は俄に一縷(いちる)の光を見いだしたようだった...
吉川英治 「私本太平記」
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