...他面には又しつきりなしにものを感ずる蘆である...
芥川龍之介 「僻見」
...他面においてはなはだ進取的な若々しい気分や...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...他面においては上述の多年の偸安(とうあん)的な習性が災いしているのではないかと考えられる...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...その現象によつて見るに『自然』なるものは一面に命ずる処を他面に禁じ...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...彼らのこういう生活の展開は、一面では、封建制度や武士の権力の下において行われたのであるが、他面では、この制度や権力が彼らの生活をおさえつけ彼らの力を伸ばさせないようにするはたらきをもっていたので、彼ら民衆のはたらきはおのずからそれらに反抗する精神をもつことになった...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...石(いし)を裏返(うらかへ)しにして再び他面に溝(みぞ)を作り...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...他面之を哲学上の労作と見做すならば...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...他面に於て市井的なのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...だから重ねて云うと、今日唯一の可能な実際方針は、一面に於て民衆牽引勢力によって牽引される民衆に足場を提供することであり、他面に於て、この足場そのものから民衆結合のプログラムを打ち立てることだ...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...――かくて氏にとって実用数学――科学的精神の問題は、一面に於て中等・高等・諸学校に於ける数学教育(乃至科学教育)の現状に対する飽くなき不満を云い現わすと共に、他面に於て、科学的精神の訓練を経たことのない処から来る現下の日本の哀れむべき文化意識に対する呵責する処のない弾劾なのだ...
戸坂潤 「読書法」
...さて普通に漠然と考えられている所謂「ブック・レヴュー」は、一面に於て著書に盛られた著者の思想の原則的な解説・批評・であると共に、他面に於て、出版物としての本に対する公正な読者による時事的な解説・批評・を建前とするものでもある(ブック・レヴューが新刊を選ぶ場合の多いのはこの点から当然である)...
戸坂潤 「読書法」
...また他面から見れば...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...他面――むしろ決定的に――全国「草莽(そうもう)義徒」の組織された圧力を代表することができたからである...
服部之総 「志士と経済」
...他面彼らが依然たる封建制根底者的富農の資格を喪(うしな)っていないこと...
服部之総 「新撰組」
...他面事實の否定の意味を有する...
三木清 「歴史哲學」
...当時の権力はまんなかに治安維持法の極端な殺人的操法をあらわに据えて、それで嚇し嚇し、一方では正直に勇敢だった人々を益々強固な抵抗におき、孤立させ、運動を縮みさせ、他面では、すべての平凡な心情を恐怖においたてて、根本は治安維持法に対するその恐怖心を、所謂指導者やその理論批判に集中表現させることで、進歩的戦列を崩壊させる手段としたのであった...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...他面いわゆる一国一党の独裁党も...
矢部貞治 「政治学入門」
...またこの相違が他面において時間的推移をも示していること...
和辻哲郎 「孔子」
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