...――今し方姉さんも来た...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...御医者様は今し方帰ったばかりだ...
芥川龍之介 「妖婆」
...今し方自分が其処に座つた事が心に浮んで...
石川啄木 「鳥影」
...暑さ盛りをうつら/\と臥てゐたお柳は今し方起き出して...
石川啄木 「鳥影」
...今し方何かに怒つた芳公が松原で子供をおひまはして...
伊藤野枝 「白痴の母」
...「所長室はあいているようだから」と、今し方、鬼村博士が習慣的にかえして行ったために、「不在」をあらわす赤字の札になっているのを指(さ)しながら彼氏はあとから顔を出した助手に云った...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...引上げたのは、つい今し方、明智小五郎自身が、令嬢殺しの嫌疑を受けて取調べられた、広い応接間である...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...熱い茶の方が――」「水でよい」竈(かまど)のところから、爺(じじ)が、顔を出して「つい、今し方まで、四五疋遊んでおりましたがのう...
直木三十五 「南国太平記」
...それは今し方、一足先に小田原へ行くといって、日本左衛門と別れた四ツ目屋、雲霧、尺取、先生(せんじょう)金右衛門などの一群です...
吉川英治 「江戸三国志」
...秀吉はつい今し方眼をさまして...
吉川英治 「黒田如水」
...先帝を奪い回(かえ)さんと目企(もくろ)んでいるとも聞いた」つい今し方...
吉川英治 「私本太平記」
...饅頭(まんじゅう)売りの武大(ぶだ)が、昨晩、病死したっていう届けなので、今し方、手下の者を出してやったんですが、最後の判証(はんしょう)をしてやらなくちゃなりませんのでね」「判証は、やはりおまえが下(くだ)すのか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...勅答の式を済ました三卿は、今し方、席を移して、大奥の桂昌院と対談中の頃あいである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一椀の温かい汁でも――と彼女はつい今し方まで...
吉川英治 「日本名婦伝」
...「おや、ご家老は、どちらへ行かれたか、今し方、ここにお見えであったが」井上玄桐は、さがしていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...ふだんは詣(もうで)る人も極めて稀な貴船山(きぶねやま)の奥之社(おくのやしろ)に、今し方、誰か柏手(かしわで)を打って拝殿のあたりから去って行く気配と思うと、「神主(かんぬし)さん」ひとりの旅人が、社家の入口を覗いて、訪れていた...
吉川英治 「源頼朝」
...お通様は」「今し方...
吉川英治 「宮本武蔵」
...今し方まで、宿端(しゅくはず)れの撞木橋(しゅもくばし)の上で、金毘羅詣(こんぴらまい)りの男と、気のはやい三度飛脚が、つまらぬ間違いから喧嘩を起して、往来の旅人が、足をとめて、真っ黒にたかッていた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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