例文・使い方一覧でみる「串」の意味


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...一服無心をした処……あすこを読むと戯(じょうだん)ではない...   一服無心をした処……あすこを読むと串戯ではないの読み方
泉鏡花 「歌行燈」

...本から東京に出てきている人を...   串本から東京に出てきている人をの読み方
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」

...戯(じやうだん)言(い)ツちやいけぬと思(おも)ひながら『一個(ひとつ)千兩(せんれう)でも買(か)ふよ』と笑(わら)ふて答(こた)へると...   串戯言ツちやいけぬと思ひながら『一個千兩でも買ふよ』と笑ふて答へるとの読み方
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」

...子供の時丸い團子を描いてそれをを描いてさし通すのが變に面白かつた...   子供の時丸い團子を描いてそれを串を描いてさし通すのが變に面白かつたの読み方
千家元麿 「自分は見た」

...其上を据えかざし...   其上串を据えかざしの読み方
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」

...燈刻中山の町にて鰻蒲燒(一十五圓)を購ひ歸る...   燈刻中山の町にて鰻蒲燒を購ひ歸るの読み方
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」

...柿は下で胡麻の殼を焚けばいつの間にか落ちて了ふといふので或夜そつと其柿を外して散々いぶして復たそつと掛けて置いた...   串柿は下で胡麻の殼を焚けばいつの間にか落ちて了ふといふので或夜そつと其串柿を外して散々いぶして復たそつと掛けて置いたの読み方
長塚節 「芋掘り」

...うちからの出が非常に遲かツたものだから、そこ/\に用は足したが、知合(しりあひ)の店先で「イヤ今夜は冴えましようぜこれでは、けさからの鹽梅ではどうも六かしいと思つてましたが、まあこれぢや麥がとれましよう、十五夜が冴えりやあ麥は大丈夫とれるといふんですから、どうかさうしたいものでなどゝいふ主人の話を聞いたりして居たので、水海道を出たのは五時過ぎになツてしまつた、尻を十分にまくし揚げてせツせと歩るく、落ちかけた日が斜に照しかけるので、自分のかげはひよろ/\とした尖つた頭になツて、野菊の花や蓼の花を突ツ越して蕎麥畑へ映る、それから粟畑、それから芋畑とだん/\に移つて行く、小山戸を通り拔けて中妻(なかづま)へかゝる、速力はずん/\加はツてくる、かうして歩いて居る間に、少くとも三四人、六七人位の連中が男女混合でよた/\とやツてくるのにでツかはせる、大抵は若い同志で、いづれも草鞋ごしらへである、それがたえずでツかはせる、これらのものはみな大寶(たいはう)がへりなので往復にしては十三四里もあるのだから、少しはびツこ引くのも仕方がないが、草臥れてしまツたといふ鹽梅は多少の滑稽を交へて居る、五十恰好のあばた面の婆さんが、これはたんだ一人で左の手でへげ皮の饅頭かなにかの包を持つて頻りに頬張りながらやつて來る、「八の野郎げ呉れべと思ツて買ツてきたが、小腹が減ツてしやうがねえから一つくひ二つくひ、はあ無くなツちやツた、野郎コンコ奴の假面(めん)欲しがツてだから、これやりせえすりや、よさあいゝが、そこらでまた二百がとこも買ツてくべえなどゝ思ツて居るのらしい、若い衆のなかへ交ツて殊に疲れたといふやうすの娘がある、お納戸の羽織で尻の大なのがいくらか隱れて居る、「おらへのおツかも解らねえでしやうがねえ、自分のことべえ見て居て、自分で行きたがらねえツたツて、いつでも/\けツかりやがらあなんて怒ツて居やがツて、隣のお稻さんらあ帶までこせえたのに、おらほんとに泣きたくなツちやツたツけや、ゆんべらもいくら粟ぶち忙しいツて、晩くまでやらせて、とう/\あたま結はねツちやツた、けさら闇えに起きたツてあたまゆつたりなにつかしたんで、みんな等に待つてられてせか/\してしやうなかツた、そんでもおらへのおつかはわれが野呂間だからなんて怒つてばかし居やがツて、ゆんべ碌に寢ねえから今日はねむくツてしやうがねえこんなことを思ひつゝ歩行いてるのではないかなどゝ考へるうちに遠くへ行き過ぎてしまふ、「けふは降られねえで助かツた、お米さんが單衣物借りてきたんで、汚しちや大變だと思つてなんぼ心配したか知れやしねえといひ相なのや「おらゆんべら、あたまおツこはしちや仕やうねえと思つて夜ツぴてうつぶになツて寢て居たんで、けさら目ぶちが腫れぼツたかツたといふのや「足うツちやりたくなツちやツたといふのやいろ/\が、いづれも澁紙のやうな顏へ思ひ切ツて白粉をこて/\となすり付けて居る、なすり付けたといふよりも、こすり込んだといひたい、さうしてそれが汗をかいて白粉が剥げたといふよりは、すべり落ちたといふ顏つきをして居る、日の入るのははやいもので、柿の木や樫の木の間からきら/\と光つて見えた光が、中妻を出拔けると、さわ/\と西へ向いて靡いてる芒の穗にかゝつて見える、もう月が出さうなものだなと思つて見ると、いままでは異形な雲に隱れてゞも居たものか、その雲が崩れかゝつて位置をかへると、まんまるな月は三四間も上つて、遙かさきの杉の木のてツぺんに淡い光を放ツてるのであツた、やがて雲はどこへ行つたか無くなツて、月の光はやゝ黄色味を含んで、いさゝか青みを帶びてきた、それと共に芒の穗にかゝつた夕日は穗から葉に、さうして見えなくなツてしまツた、しかしまだ世間はあかるい、その明るい世間が赤く黄色いやうな色に變化して、空の際が一層燒けて、それがだん/\に褪めて、足もとの乾き切つた土が、しら/\と明るいと思ふやうになれば、月の光はうつくしいのである、草鞋ごしらへの連中も通らなくなる、おしまひに十三四位な小供が二人でよぼ/\やつて來た、「はやくうちに成ればいゝなあといふ顏をして歩いてる、遊び仲間で相談がまり、うしろの竹さんも大寶へ行くツちふから、俺も行つてよかんべえといつたやうなことをおふくろにねだつた末に、單衣物の腰上げをおろして貰ひ、わるさなんぞして汚すんぢやねえぞと戒められて、そうれおとつツあげ隱してやるんだからと白銅一つあとから蝦蟇口へ入れて貰つて、人込みのなかではぐれちやいかねえぞ、二人でようくつかまツて歩行くんだぞといはれたことまで、なんでもうん/\と聞き流して、うれしまぎれに急いで行つて、大蛇の見世物で一錢、ろくろ首の見世物で一錢、輕業で一錢五厘、それから團子を一皿くつてお替りをいふことが出來ずにしまつて、梨子を買つて柿を買つて、芋を買つて、八幡太郎の繪本を買つて、風船玉も買ひたかツたが無駄なものなんぞ買つて來たら聽かねえからと、うちでいはれてきた爲めにそれは諦めて、よツぱらさんざ遊んでかへつてきたので、途中からよく/\に草臥れてしまひ、けふの面白かツた話も出なくなツて、「はやくうちに成ればいゝなあと思ひながら行くのであらう、罪のないことだと思つて振り返つて見ると遙かに隔つた、自分の歩行くのがはやいからであらう、ひろ/″\としたこの野路の變化し易い夕の景色の面白いのを見ながらまた村へ這入ツた、「駄目だツちことよ、われがにや「かつてくんだよう「水油はわれがにや解らねえからだめだよ「かつてくうんだツちばよう「そんだら買つてこうなといふのは、いましがた油買ひに行かうとするおふくろの手につかまツて、七八つの小供が好奇心から自分が買つてくるんだといつて聽かない、おふくろが危ぶむ、とう/\小供に負けてしまツたといふ所なのである、こんなことを見ながら村の中を行くとなんだか急に闇くなツた、木立のおひかぶさツてゐるためであらう、がた/\がた/\と唐箕で籾を立てゝ居るのや、とん/\とん/\とふるぢで粟がらを叩いて居るのや、大かたは忙しいことであるが、庭の中でぽたん/\と粉をついて居るのは、いまから團子を丸めようといふのであらう、まツくらな家の中にはまだあかりがつかない、稀についたのもランプの心がひツこましてあつてぽツちりと赤い光が見えるだけである、自分の急ぎ足はこんな忙しいなかをば猶更いそぎ足になツた、せツせと歩くと突然、「勝よう、かつうと大きな胴羅聲で呶鳴つた婆さんがある、耳もとで怒鳴られたので自分は非常に驚いた、その調子が一種のせき込んだ恨みを含んだ調子である、家のうちには竈の下にちよろ/\と火が燃えて居るのみで人のけはひもないやうである、「きさのあま奴が、ねんとし大寶へ行く癖にはやくでもけえればいゝのに、若い衆とでもくれえそべえて居やがるんだんべ、いめえましいあま奴だ、なんにも間に合ひやしねえ、それにかつの餓鬼奴がどこへけつかツてるか、豆腐でも買つてくればいゝのに、寄ツつきやがらねえ、どうしたらよかんべえなといふやうなことで、思ひ切つた大きな聲で呶鳴つたのであらうなどゝつまらぬことを考へながら村外れへ出る、五個(ごか)までくれば石下(いしげ)への半分道でこゝからは野路ばかりになる、常に行き馴れた間道なのである、村のなかでは暗かツたのが野らへ出ると明るくなツた、夕燒はもう殆んどあともなくなツて、月の光はいよ/\うつくしくなツた、用水の岸を辿つて行くと水の流はしら/\とひかつて見える、ころ/\ころ/\と蛄螻がしづかな鳴きやうをする、野らは至ツてひろ/″\として隈なき月は更にうつくしさが増すやうである、手近には蕎麥畑が霜の降つたやうに見えて、遙かの先きには筑波山が仄かに見られる、さうしてさツきから嶺に棚引いた白雲は依然として居るのまでがわかる、田のへりへ出ると掛稻のあたりから、鴫でゞもあらう、きゝ/\と鳴いてどこへか飛んで去つた、しばらく歩行いて居るうちにそここゝの森から田を隔てゝぽん/\ぽん/\といふ音が聞え出した、小供らが卷藁を打ち出したのである、自分がまだ幼少の時分によくしたことであるが、手頃に藁を束ねて繩でぎり/\卷いて、そいつを擔いては家々の庭へ行つて力一杯に叩きまはるのである、その叩くと共に、「大麥小麥、三角畑の蕎麥あたれとみんなで聲を揃へて叫ぶのであつた、卷藁のなかへ芋がらの干したのを入れると音がいゝといつて拵へて貰つたことであつた、今叩いて居る子供等もいかに樂しいことであらうと思ツた、自分はこの卷藁の音が非常に好きで、殊に眩ゆいやうな蕎麥畑の中へ立つてこの卷藁を聞くのはなんとも云へない善い感じがするのである、こんなことを思ひ浮べながら石下へついた、石下の町ではあかりはまツかについて居る、洋燈の下で夕餉をしたゝめて居る家があつた、さうしてその家の表へ供へた机の上の團子を猫がくはへ出して、机の下のくらがりで噛ツて居るを夕餉の人々は知らぬげであつた、外は賑かで、月はいよ/\冴えまさツた、これでは麥がとれるだらうと思ツた、(明治三十六年十二月二十三日發行、馬醉木 第七號所載)...   うちからの出が非常に遲かツたものだから、そこ/\に用は足したが、知合の店先で「イヤ今夜は冴えましようぜこれでは、けさからの鹽梅ではどうも六かしいと思つてましたが、まあこれぢや麥がとれましよう、十五夜が冴えりやあ麥は大丈夫とれるといふんですから、どうかさうしたいものでなどゝいふ主人の話を聞いたりして居たので、水海道を出たのは五時過ぎになツてしまつた、尻を十分にまくし揚げてせツせと歩るく、落ちかけた日が斜に照しかけるので、自分のかげはひよろ/\とした尖つた頭になツて、野菊の花や蓼の花を突ツ越して蕎麥畑へ映る、それから粟畑、それから芋畑とだん/\に移つて行く、小山戸を通り拔けて中妻へかゝる、速力はずん/\加はツてくる、かうして歩いて居る間に、少くとも三四人、六七人位の連中が男女混合でよた/\とやツてくるのにでツかはせる、大抵は若い同志で、いづれも草鞋ごしらへである、それがたえずでツかはせる、これらのものはみな大寶がへりなので往復にしては十三四里もあるのだから、少しはびツこ引くのも仕方がないが、草臥れてしまツたといふ鹽梅は多少の滑稽を交へて居る、五十恰好のあばた面の婆さんが、これはたんだ一人で左の手でへげ皮の饅頭かなにかの包を持つて頻りに頬張りながらやつて來る、「八の野郎げ呉れべと思ツて買ツてきたが、小腹が減ツてしやうがねえから一つくひ二つくひ、はあ無くなツちやツた、野郎コンコ奴の假面欲しがツてだから、これやりせえすりや、よさあいゝが、そこらでまた二百がとこも買ツてくべえなどゝ思ツて居るのらしい、若い衆のなかへ交ツて殊に疲れたといふやうすの娘がある、お納戸の羽織で尻の大なのがいくらか隱れて居る、「おらへのおツかも解らねえでしやうがねえ、自分のことべえ見て居て、自分で行きたがらねえツたツて、いつでも/\けツかりやがらあなんて怒ツて居やがツて、隣のお稻さんらあ帶までこせえたのに、おらほんとに泣きたくなツちやツたツけや、ゆんべらもいくら粟ぶち忙しいツて、晩くまでやらせて、とう/\あたま結はねツちやツた、けさら闇えに起きたツてあたまゆつたりなにつかしたんで、みんな等に待つてられてせか/\してしやうなかツた、そんでもおらへのおつかはわれが野呂間だからなんて怒つてばかし居やがツて、ゆんべ碌に寢ねえから今日はねむくツてしやうがねえこんなことを思ひつゝ歩行いてるのではないかなどゝ考へるうちに遠くへ行き過ぎてしまふ、「けふは降られねえで助かツた、お米さんが單衣物借りてきたんで、汚しちや大變だと思つてなんぼ心配したか知れやしねえといひ相なのや「おらゆんべら、あたまおツこはしちや仕やうねえと思つて夜ツぴてうつぶになツて寢て居たんで、けさら目ぶちが腫れぼツたかツたといふのや「足うツちやりたくなツちやツたといふのやいろ/\が、いづれも澁紙のやうな顏へ思ひ切ツて白粉をこて/\となすり付けて居る、なすり付けたといふよりも、こすり込んだといひたい、さうしてそれが汗をかいて白粉が剥げたといふよりは、すべり落ちたといふ顏つきをして居る、日の入るのははやいもので、柿の木や樫の木の間からきら/\と光つて見えた光が、中妻を出拔けると、さわ/\と西へ向いて靡いてる芒の穗にかゝつて見える、もう月が出さうなものだなと思つて見ると、いままでは異形な雲に隱れてゞも居たものか、その雲が崩れかゝつて位置をかへると、まんまるな月は三四間も上つて、遙かさきの杉の木のてツぺんに淡い光を放ツてるのであツた、やがて雲はどこへ行つたか無くなツて、月の光はやゝ黄色味を含んで、いさゝか青みを帶びてきた、それと共に芒の穗にかゝつた夕日は穗から葉に、さうして見えなくなツてしまツた、しかしまだ世間はあかるい、その明るい世間が赤く黄色いやうな色に變化して、空の際が一層燒けて、それがだん/\に褪めて、足もとの乾き切つた土が、しら/\と明るいと思ふやうになれば、月の光はうつくしいのである、草鞋ごしらへの連中も通らなくなる、おしまひに十三四位な小供が二人でよぼ/\やつて來た、「はやくうちに成ればいゝなあといふ顏をして歩いてる、遊び仲間で相談がまり、うしろの竹さんも大寶へ行くツちふから、俺も行つてよかんべえといつたやうなことをおふくろにねだつた末に、單衣物の腰上げをおろして貰ひ、わるさなんぞして汚すんぢやねえぞと戒められて、そうれおとつツあげ隱してやるんだからと白銅一つあとから蝦蟇口へ入れて貰つて、人込みのなかではぐれちやいかねえぞ、二人でようくつかまツて歩行くんだぞといはれたことまで、なんでもうん/\と聞き流して、うれしまぎれに急いで行つて、大蛇の見世物で一錢、ろくろ首の見世物で一錢、輕業で一錢五厘、それから團子を一皿くつてお替りをいふことが出來ずにしまつて、梨子を買つて柿を買つて、芋串を買つて、八幡太郎の繪本を買つて、風船玉も買ひたかツたが無駄なものなんぞ買つて來たら聽かねえからと、うちでいはれてきた爲めにそれは諦めて、よツぱらさんざ遊んでかへつてきたので、途中からよく/\に草臥れてしまひ、けふの面白かツた話も出なくなツて、「はやくうちに成ればいゝなあと思ひながら行くのであらう、罪のないことだと思つて振り返つて見ると遙かに隔つた、自分の歩行くのがはやいからであらう、ひろ/″\としたこの野路の變化し易い夕の景色の面白いのを見ながらまた村へ這入ツた、「駄目だツちことよ、われがにや「かつてくんだよう「水油はわれがにや解らねえからだめだよ「かつてくうんだツちばよう「そんだら買つてこうなといふのは、いましがた油買ひに行かうとするおふくろの手につかまツて、七八つの小供が好奇心から自分が買つてくるんだといつて聽かない、おふくろが危ぶむ、とう/\小供に負けてしまツたといふ所なのである、こんなことを見ながら村の中を行くとなんだか急に闇くなツた、木立のおひかぶさツてゐるためであらう、がた/\がた/\と唐箕で籾を立てゝ居るのや、とん/\とん/\とふるぢで粟がらを叩いて居るのや、大かたは忙しいことであるが、庭の中でぽたん/\と粉をついて居るのは、いまから團子を丸めようといふのであらう、まツくらな家の中にはまだあかりがつかない、稀についたのもランプの心がひツこましてあつてぽツちりと赤い光が見えるだけである、自分の急ぎ足はこんな忙しいなかをば猶更いそぎ足になツた、せツせと歩くと突然、「勝よう、かつうと大きな胴羅聲で呶鳴つた婆さんがある、耳もとで怒鳴られたので自分は非常に驚いた、その調子が一種のせき込んだ恨みを含んだ調子である、家のうちには竈の下にちよろ/\と火が燃えて居るのみで人のけはひもないやうである、「きさのあま奴が、ねんとし大寶へ行く癖にはやくでもけえればいゝのに、若い衆とでもくれえそべえて居やがるんだんべ、いめえましいあま奴だ、なんにも間に合ひやしねえ、それにかつの餓鬼奴がどこへけつかツてるか、豆腐でも買つてくればいゝのに、寄ツつきやがらねえ、どうしたらよかんべえなといふやうなことで、思ひ切つた大きな聲で呶鳴つたのであらうなどゝつまらぬことを考へながら村外れへ出る、五個までくれば石下への半分道でこゝからは野路ばかりになる、常に行き馴れた間道なのである、村のなかでは暗かツたのが野らへ出ると明るくなツた、夕燒はもう殆んどあともなくなツて、月の光はいよ/\うつくしくなツた、用水の岸を辿つて行くと水の流はしら/\とひかつて見える、ころ/\ころ/\と蛄螻がしづかな鳴きやうをする、野らは至ツてひろ/″\として隈なき月は更にうつくしさが増すやうである、手近には蕎麥畑が霜の降つたやうに見えて、遙かの先きには筑波山が仄かに見られる、さうしてさツきから嶺に棚引いた白雲は依然として居るのまでがわかる、田のへりへ出ると掛稻のあたりから、鴫でゞもあらう、きゝ/\と鳴いてどこへか飛んで去つた、しばらく歩行いて居るうちにそここゝの森から田を隔てゝぽん/\ぽん/\といふ音が聞え出した、小供らが卷藁を打ち出したのである、自分がまだ幼少の時分によくしたことであるが、手頃に藁を束ねて繩でぎり/\卷いて、そいつを擔いては家々の庭へ行つて力一杯に叩きまはるのである、その叩くと共に、「大麥小麥、三角畑の蕎麥あたれとみんなで聲を揃へて叫ぶのであつた、卷藁のなかへ芋がらの干したのを入れると音がいゝといつて拵へて貰つたことであつた、今叩いて居る子供等もいかに樂しいことであらうと思ツた、自分はこの卷藁の音が非常に好きで、殊に眩ゆいやうな蕎麥畑の中へ立つてこの卷藁を聞くのはなんとも云へない善い感じがするのである、こんなことを思ひ浮べながら石下へついた、石下の町ではあかりはまツかについて居る、洋燈の下で夕餉をしたゝめて居る家があつた、さうしてその家の表へ供へた机の上の團子を猫がくはへ出して、机の下のくらがりで噛ツて居るを夕餉の人々は知らぬげであつた、外は賑かで、月はいよ/\冴えまさツた、これでは麥がとれるだらうと思ツた、の読み方
長塚節 「月見の夕」

...はじめの中は何か談に態とらしく邪慳に遊ばすのと思ふて居りましたけれど...   はじめの中は何か串談に態とらしく邪慳に遊ばすのと思ふて居りましたけれどの読み方
樋口一葉 「十三夜」

...裏にはりたるのさまもをかし...   裏にはりたる串のさまもをかしの読み方
樋口一葉 「たけくらべ」

...取(とり)にがしては殘念(ざんねん)であらうと人(ひと)の愁(うれ)ひを談(じようだん)に思(おも)ふものもあり...   取にがしては殘念であらうと人の愁ひを串談に思ふものもありの読み方
樋口一葉 「にごりえ」

...牛肉は幼年時代から一(いっかん)せる嗜好品ですが...   牛肉は幼年時代から一串せる嗜好品ですがの読み方
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」

...後世イグシといい玉と称し...   後世イグシといい玉串と称しの読み方
柳田國男 「地名の研究」

...手に数取(かずと)りの紙縒(かみより)や竹の(くし)をもって...   手に数取りの紙縒や竹の串をもっての読み方
柳田国男 「母の手毬歌」

...土鰌(どじょう)を丸のまま焼きにし...   土鰌を丸のまま串焼きにしの読み方
山本周五郎 「七日七夜」

...投げ槍に刺しにされて...   投げ槍に串刺しにされての読み方
吉川英治 「三国志」

...崎船(くしざきぶね)と名のある崎も...   串崎船と名のある串崎もの読み方
吉川英治 「私本太平記」

...このお座船にのりこんでいた崎(くしざき)船頭の老練なのを初めとして...   このお座船にのりこんでいた串崎船頭の老練なのを初めとしての読み方
吉川英治 「私本太平記」

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