...未だ鏡に向つて檢査する機會を持たないが恐らくは眼も潤ひ且つ輝いてゐよう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...指環の真珠が且(か)つ涼しい...
泉鏡花 「浮舟」
...且つ幸いここには文部大臣あるいは近衛公爵その他大学の校長...
大隈重信 「学問の独立と東京専門学校の創立」
...且(か)つ食物が十分滋養分に富まなければそれが乳に作用し...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...且(かつ)性來(せいらい)記憶力(きおくりよく)に乏(とぼ)しき余(よ)は...
關寛 「命の鍛錬」
...方法乃至論理なるものが実に世界観の歴史的で且つ理論的な要約として結晶したものだ...
戸坂潤 「科学論」
...で生物は少なくとも形態を形成し且つ保持する存在であると云うべきである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...わが肉身(み)は 卵殻の如く完(まつた)く且つ脆(もろ)くして...
富永太郎 「無題」
...其の敵党に対する戦法の卑劣にして且つ陰険なるは暫らく之れを措くも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...且つ槍の名人ときているから...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙(まづ)くて且(かつ)眞面目である...
夏目漱石 「子規の畫」
...南東を受けた大きな窓一ぱいに遠く雪を戴いた山々が一列に並んで、時刻はもう十九時(午後七時)を過ぎているのに日中の光のまだ残ってる碧空に、くっきりと鮮やかな空劃線(スカイライン)を描き出してる美しさ! 尖峰の数は目分量で三十から四十もあろうか? 鋭くとんがったり、おんもりと円味を見せたり、そぎ落されたようなのや、曲りくねったのや、威儀を正したものもあり、無造作に坐ったのもあり、孤立したもの、寄り集まったもの、思い思い勝手な方向を向いて、実際は比較的近いのも比較的遠いのもあるらしいが、距離のために一列になって見え、全体として、いかにも清らかに鮮やかに花やかに、且つ、消えたばかりの夕映の名残を浴びて皺襞の陰影が甚だ繊細な微妙なものでさえあった...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...且つ「朝」の溌溂さを持っていた...
葉山嘉樹 「浚渫船」
...且その學問上に研究する事柄も其方法も本人の思ふがまゝに一任して傍より喙を容れず...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...精力絶倫且つ非常に討論に長じた人であった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...これぢや仍且(やつぱり)家(うち)で睨合(にらみあひ)をしてゐるしかないな...
三島霜川 「青い顏」
...やはり予(かね)てから学び且つ考えておらねばならなかった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...頑是のない子供心にも尚ほ且つこの母の他と異つて居る性質を何となく飽き足らず忌み嫌ふて居るのであるかと思ふと...
若山牧水 「一家」
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